アテネパラリンピック
Athens 2004 Paralympic Games

アテネパラリンピックは、9月17日より28日まで(12日間)、140カ国以上、約6,000人(選手4,000人・役員2,000人)が参加して、ギリシャ・アテネで開催されます。日本からは、選手163人、役員108人、合計271人が参加、実施競技19競技中、16競技に出場します。世界選手権等のランキング上位8ヶ国が出場権を獲得する「脳性麻痺7人制サッカー・CPサッカー」は、残念ながら日本未出場種目となっています。
CPサッカー Football(7-a-side)
CPサッカーは、Olympic Hockey Centre (HOC)にて行なわれ、ウクライナ、ブラジル、アルゼンチン、ロシア、アイルランド、アメリカ、イラン、オランダの8ヶ国が出場します。
競技日程
19日 第一試合 ウクライナ アイルランド
第二試合 アルゼンチン イラン
第三試合 ブラジル アメリカ
第四試合 ロシア オランダ
21日 第一試合 ロシア アメリカ
第二試合 オランダ ブラジル
第三試合 イラン ウクライナ
第四試合 アルゼンチン アイルランド
23日 第一試合 アイルランド イラン
第二試合 ウクライナ アルゼンチン
第三試合 ロシア ブラジル
第四試合 アメリカ オランダ
25日 第一試合 7-8クラスマッチ
第二試合 5-6クラスマッチ
第三試合 準々決勝1
第四試合 準々決勝2
27日 第一試合 3位決定戦
第二試合 決勝戦

乗り継ぎのUAE・ドバイ空港にて。ゴージャスな空港です。約20時間の長旅でした。

会場へは、路面電車で移動。アテネ市街地から約1時間。ちなみに時刻表はありません。

優勝は、世界選手権大会と同じウクライナ。フィジカル、個人的スキル、チームワーク、どれをとっても高レベル。

ハーフタイムはダンシングタイム。あまり陽気ではないと聞いていたけど、「YMCA」で大ハッスルしていました。
隣の会場では5人制サッカーがおこなわれていました。こちらは視覚障害者のサッカーです。ボールの鈴とコーラーの声を元に、パスもシュートも決まります。会場では、音を立ててはいけないのですが、思わず歓声をあげてしまう場面も多々あり、選手を困らせてた場面もあったようでした。優勝はブラジル、準優勝アルゼンチン、3位スペインでした。

こんな人?(犬?)もIDカードを持ってました。ブラジルの車椅子バスケット選手の連れ?です。

↑Para Photo平野誠樹さん。〜「ゴールを狙え」もときのCPサッカー便り 〜はこちら⇒



→スケジュールの合間に、他の競技を応援に行きました。これは車椅子バスケット(女子)。地元の小、中、高校生がたくさん応援に来ていました。


ブラジルの応援団は、Tシャツを配り、多くの観戦者を巻き込んで大サポーターに!
予選Aリーグ
Aグループの順位は、ウクライナ(2勝1分け)、アルゼンチン(1勝2分け)、イラン(1勝1負1分け)、アイルランド(3敗)であった。特に、初出場のイランが台風の目となり、アルゼンチンに引き分けるなど、好試合を見せた。イランは、最終戦、ウクライナとアルゼンチンの結果次第で、準決勝進出の可能性もあったが、すでに準決勝進出が決定していたウクライナは、主力選手を休ませ、監督もベンチに座ったまま、プレーヤーにゲームを全てまかせるという王者の貫禄であろうか、結果2-2で引分、アルゼンチンの2位通過が決定した。
予選Bリーグ
Bグループの順位は、ブラジル(3勝)、ロシア(2勝1敗)、オランダ(1勝2負)、アメリカ(3敗)であった。このグループで、一番、元気が良かったのはブラジルであろう。最終戦、ブラジルとロシアは、勝点、得失点差、総得点が同じで同位で、勝てば準決勝でアルゼンチンと、負ければ王者ウクライナと対戦という状況の中で、両国どちらも勝ちたいところ。試合は一進一退の好ゲームで、結果、2-1でブラジルが勝利した。
7位-8位決定戦
アイルランド、アメリカ共にリーグ戦では、勝点を上げることができなかった。アイルランドには、C8選手がおらず、C6選手2人、C7選手10人のチームである。GKにC6選手をおき、他は全てC7選手で2-1-2-1、もしくはDFの1人が上がる、1-2-2-1のシステムを取っている。飛び抜けたプレーヤーはいないが、攻守のバランスが取れたチームである。対し、アメリカは、8チーム中、平均年齢が最も高く、センターバックNo2のC6選手は47歳、右サイドバックNo14のC8選手は39歳、MF・No7のC8選手、右FW・No3のC7選手は、42歳とがんばっている。システム的には、3-1-2だが、センターバックを残し、両サイドバックが時に押し上げるので、1-2-1-2の形になることがある。全体的にアイルランドのペースで、トップのNo9を攻撃の軸にチャンスをつかみ、No3、No6がそれに絡んだ。後半になってからは、アメリカの足が止まり、いっそう、アイルランドのペースへ、4-0という結果となった。アメリカは、昨年のアルゼンチンでの世界選手権で見たチームとは大きく違っていた。守って、カウンターで活路を見出していた世界選手権大会では、世界の強豪と五分五分に渡り合い、アテネへの切符を手に入れた。今回の、アテネパラリンピックでは、人工芝で、カウンターをしかけても、ボールが走り過ぎて、プレーが追いつけないことが多々あった。来年2005年は、ワールドチャンピオンシップがアメリカで開催される。ホスト国として、パラリンピックの経験をどう生かすか期待したい。
5位-6位決定戦
共に予選リーグ3位同士。イランは、予選で、アルゼンチンと引き分けるなど、何とも未知数な力を持っているチーム。対オランダに、2-2-2で、C6選手を右FWに置き、C8選手を2人、他C7選手のシステムであった。一方、オランダは、C7選手2名(No10、No4)を攻守の要とし、パスワークを中心に、時にNo4が、ロングシュートをする。GKは、C5選手。2-3-1のシステムである。他の試合では、常に中盤にいたNo10だったが、この試合では、イランの攻撃に備えて、右DFに入っていた。前半は、オランダのパスワークのペースになった。右からの攻めが効果的で、何度か決定的な得点のチャンスがあった。しかし、前半の終盤近くに、イランが速攻で1得点。均衡は破られ、徐々にイランのペースになる。後半、オランダは、要のNo10を右MFに入れ、攻撃的システムをとるが、イランの早いプレスで、オランダのパスワークが消えてしまう。その後、今回のゲームで、攻守ともに働いたイランのNo7が、バイタルエリア内で絶妙なパスを受け、決定的なゴールを決める。結果は、3-0でイランの完封であった。
セミファイナルT
ウクライナとロシア、現在の世界CPサッカーランキング1位と2位の事実上の決勝戦と言って良い。レベルが高くゲームに魅入った1時間であった。ウクライナは、2-3-1のシステムで、C6選手のNo9が、左DFを担っている。派手さはないが、確実に、相手の攻撃を止める、または遅らせる実力を持った選手である。対し、ロシアのC6選手は、GKで、ウクライナのC6選手に比べ、フィジカル的に劣り、ロシアの中でのウイークポイントとなり、勝敗の行方が決まってしまったようだった。前半は、ロシアの怒涛の攻撃があり、ウクライナは、フィールド選手全員が体を張り守っていた。前半終了近く、守っていたウクライナが、相手ゴール前にロングキック、ロシアのGKがハンブルしたボールを押し込み、2点を瞬く間にゲットした。後半も、ウクライナが2点を要れ、そのうち1点は、自軸からのゴールキックを、FW・C8選手のNo4が受け、すかさずシュート。ダイレクトプレーを絵に描いたようだった。終ってみれば、ウクライナが全員で守り、ダイレクトプレーで点を重ね、4-1のあぶなげない勝利だった。
セミファイナルU
いろいろな意味で本当にすごい試合だった。Bグループ1位通過のブラジルは、ロシアを僅差で破り、勢いに乗り、C8選手No9を軸に強力な攻撃を誇る。システム的には、右FWにC6選手No11を据え、2-2-2 又 1-3-2、ゲーム展開によって変化させる。GKはC8選手で、今大会、最も安定し、すきの無いGKである。一方、アルゼンチンは、司令塔であるNo10が、イエローカード累積欠場から戻り、ベストメンバーで挑む。システムは、1-3-2で、GKにC5選手。DF1枚のC8選手No3は、背が高く、がっちりした体格で、時に、オーバーラップをし、シュートを放つ。前半は、実力的に上のブラジルがボールを支配し、アルゼンチンゴールを脅かした。アルゼンチンは、No3を中心に全員で守った。ボールを奪っても、すぐにブラジルに取り返される。しかし、集中力のある守りで、無失点で折り返す。後半に入ると、ブラジルのコーナーキック⇒No9のボレーシュートで均衡が破れ、アルゼンチンの集中力が切れ、2分後、再び、No9にゴールを奪われてしまう。後半終了間際、事件は起こった。すでに、ブラジルは4得点し、決勝進出をほぼ手中に収めていた。アルゼンチンNo10がドリブルしていたところへ、ブラジルNo3が接触し、転倒。ファールを取られたブラジルNo3は、抗議、その抗議に詰め寄ったアルゼンチンNo10に対し、冷静さを失ったブラジルNo3は、冷静さを失い、その選手に手を出してしまった。その後は、両国選手総出の大乱闘に・・・結局、ブラジル3選手、アルゼンチン1選手が退場処分となった。熱くなるのは良いが、その気持ちをプレーで見せて欲しかった。
大会結果

1位 ウクライナ

2位 ブラジル 3位 ロシア 4位 アルゼンチン
5位 イラン 6位 オランダ 7位 アイルランド 8位 アメリカ
19日 第一試合 ウクライナ
0
アイルランド
6
第二試合 アルゼンチン
2
イラン
2
第三試合 ブラジル
4
アメリカ
0
第四試合 ロシア
7
オランダ
1
21日 第一試合 ロシア
3
アメリカ
0
第二試合 オランダ
1
ブラジル
6
第三試合 イラン
2
ウクライナ
6
第四試合 アルゼンチン
5
アイルランド
2
23日 第一試合 アイルランド
2
イラン
7
第二試合 ウクライナ
2
アルゼンチン
2
第三試合 ロシア
1
ブラジル
2
第四試合 アメリカ
1
オランダ
6
25
7-8位戦 アメリカ
0
アイルランド
4
5-6位戦 イラン
3
オランダ
0
準々決勝1 アルゼンチン
1
ブラジル
4
準々決勝2 ロシア
1
ウクライナ
4
27日 3位決定戦
アルゼンチン
0
ロシア
5
決勝戦
ウクライナ
4
ブラジル
1
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