What You Wont Do For Love / Bobby Caldwell
もともとAORとは、70年代の後半から80年代にかけて流行った大人のための都会的なサウンドのことを言った。
Boz Scaggsの【We're all alone】はその代名詞である。
ただバラードとも違い、そこにジャズ・エッセンスが含まれていたりR&B的要素も混じったりと、これといった定義が存在するわけではない。
まあ、要するに Bobby Caldwell的音楽をAORと呼べばいいわけだ。
ただ、その夢を応援し続けていた母親がTKレコードにデモテープを持ち込んだことから契約。ついに78年、この曲がブレークする。
経歴からいうとわりと裕福な家庭に育ち、ハングリーな青年期はまったくすごしていないBobbyだが、それだからこそ穏やかな、南国の夜にふさわしいアダルトなサウンドを生み出すことができたのだろう。
Bobby Caldwellは 51年、N.Yマンハッタンに生まれ、少年期はマイアミで育つ。
L.Aで 71年よりソングライターとしての活動を始め 『The House Is Rockin'』というシングルこそリリースしたものの、本格的デビューには至らなかった。
結局、ミュージシャンとしての生計は諦め、一度はマイアミに戻り、父親の不動産屋を手伝うことになる。
荒々しさとは無縁のAORである。