All At Once / Whitney Houston
この“All At Once”が収録されているファーストアルバムは【Greatest Love Is All】を除いて、おだやかなシーサイドの似合う作りになっている。
スローなAORの中に Whitneyの力強いボーカルが響く。
失恋の歌だが、それだけに都会の喧騒を離れ、おだやかな海を眺めての聴くのが最高のシチュエーション。
これを頻繁に聴いていた当時、目の前には海があった。
5月の爽やかな風を受けて、緑の眩しい樹々の隙間から、青い海が見えた。
真夏の焼けるような陽差しを浴びながら、海岸線を駆ったときにも、この曲は流れていた。
Whitneyのイメージから海というのはほど遠い。
それはセカンドアルバムでのダンサブルなナンバー、それ以降の映画界進出と、彼女のキャラクターがその枠内に収まり切らないからである。
日本版『そよ風の贈りもの』のカバージャケットを見てもそれが伺えるだろう。
誰にでも口ずさめ、聴けば聴くほどよさのわかる曲。
歌詞の切なさとは裏腹に心和ませてくれる一曲だ。
アルバム【そよ風の贈りもの】