さて、今回私がこんな話題を持ち込んだのにはわけがある。
数日前のコラムで書いたことなのだが、私、マライヤ・キャリーを『白人』と言った。
これに対し、多くの批難の声が寄せられたのだ。
そのほとんどが、「マライヤは白人ではなく、混血だ」という内容である。
さすがの私も、あれだけ多くの人から責められると辛く、涙なんかを流し、「もうコラムなんて、やめちゃおうかな…」などと考えた。<うそうそ。
さて、冗談はこのぐらいにして、まじめモードでいきます。
みなさんもご存知だろうが、マライヤ・キャリーはベネズエラ人の父とアイリッシュの母とのあいだに生まれた混血である。
要するに、これがみなさんを「彼女は白人ではない」と主張させる要因なのである。
みなさんは、白人というのは何かということをご存知だろうか。
私がまたここで、いい加減なことを言うと「チャットだけでなく、コラムまでいい加減だなぁ」などと言われ兼ねないので、丹念に『人種について』を調べてみた。
尚、これは【広辞苑 第四版 CD辞書】を引用したものなので、苦情は岩波書店の方にお願いしたい。
人種…。
人間の生物学的な特徴による区分単位。
皮膚の色をはじめ頭髪・身長・頭の形・血液型などの形質を総合して分類される。
主に、コーカソイド(類白色人種群)・モンゴロイド(類黄色人種群)・ネグロイド(類黒色人種群)の三大人種群に分類される。
要するに人種とは、白人、黒人、黄色人の三大区分のことなのだ。
例外もあるらしいが。
まずは黒人。
黒人とはネグロイドに属する人のことを言い、そのネグロイドとは、黒褐色の皮膚の色を主な特徴とした人種群。
普通、黒色人種・ニグロとも呼ばれる。
人種の三大区分におけるネグロイドには、アフリカのスーダン系のネグロイドのピグミー、南アフリカのコイサン、インドのドラヴィダ、東南アジアのネグリト、メラネシア人などの人種群が含まれる。
そして黄色人。
類モンゴル人種。
黄色ないし黄褐色の皮膚と、黒ないし黒褐色の直毛状の頭髪とを主な特徴として分類され、眼瞼の皮下脂肪の厚いこと、蒙古襞(ヒダ)、乳児に蒙古斑の頻度がきわめて高いことなども特徴。
日本人・朝鮮人・中国人を含むアジア‐モンゴロイドのほか、インドネシア‐マレー人、ポリネシア人、アメリカ‐インディアンが含まれる。
そして白人。
白人とはコーカソイド。
ヨーロッパ・インド・西アジア・北アフリカ・南北アメリカなどに分布。
コーカサス人種。
さあ、説明が終わったので本題に入ろう。
問題はマライヤ・キャリーが三つの人種のうち、どれに属すかと言うことなのだ。
父がベネズエラ人。
ベネズエラ…『南アメリカ北部、カリブ海に面する共和国。一五世紀末コロンブスが発見』
ここで、ベネズエラ人が何人種なのかまで掘り下げていくと、先祖代々までということになるのでやめておくが、少なくともここが移民の国だったということがわかる。
白人もいるし、黒人もいる。黄色人もいるはずである。
母がアイリッシュ。
アイリッシュパブをご存知だろうか。
白人、しかもアイリッシュだけが集う酒場。
そこは黒人立ち入り禁止という暗黙の了解で成り立っているような店だ。
アイリッシュの母こそ、白人と呼んでもいいだろう。
さて、その父と母のあいだに生まれた子供。
これを人種区分するとしたら、肌の色で見るしかない。
どう見てもマライヤの肌は黒、もしくは茶褐色ではない。
では、黄色人か?
彼女の顔はモンゴル系ではないし、父がインディアンやポリネシア系だったとしても、肌の色には現れていない。
マライヤ・キャリー…。
やはり白人に属すのです。
ただ、私が彼女を白人と言ったのは、別に辞書で人種の定義を調べて検討した結果というわけではない。
私の人種感とは、黒人的なのだ。
肌の黒いものがブラック。
それは昔から白人社会から疎外され続けてきた劣等感のようなものも含まれる。
「肌の白いやつに、俺たちの音楽がわかってたまるか」
本音で言うと、これがブラック的な考え方だ。
だから私論の『マライヤ=白人』とは、ブラック側から見た表現上の言い方であって、『黒くないやつ』という簡単な観念での偏見だったのだ。
まあ、気軽に『白人』と言ったことで、これだけ批判されたことには傷心したが、それによって私も深く勉強できたことは、みなさんに感謝せねばならないだろう。
えっ、おまえは黒人なのかって?
ククク…。
どうでしょう?