'02.5.9
Nicolaschka/ニコラシカ。これはカクテルの一種ではあるが、口の中で混ぜ合わせるだけなので、"形式的なカクテル"と言えよう。
基本的なスタイルは、リキュールグラスにブランデーを注ぎ、その上をレモンスライスで蓋をするようにかぶせ、そのまた上に砂糖を山盛りにのっける、といった形だ。まあ、渋味を嫌うお客さんがいるようだと、わざわざ皮を除いてスライスにしてくれる店もある。
飲み方は、レモンを砂糖がのっかったまま口に入れ、二度三度噛んでから、ブランデーを一気に飲み干す。
ほどよい酸味と甘みが混ざり合い、口の中で最高のカクテルになるわけだ。
その由来は、ロシアの皇帝ニコライ二世が酒に強く、レモンをかじりながらウオッカを飲んでいたこと、カクテルの様相が彼の山型帽子に似ていることから、生まれたらしい。
ただ、発祥はロシアというわけではなく、ドイツのハンブルグのようだ。
このニコラシカ、正当なカクテルではあるのだが、クラブなどで罰ゲームの飲み物として利用されることが多々ある。
クラブといっても、DJが「は〜い♪今日最初のナンバーは、人気急上昇のデスチャ。曲は、ナスティー・ガ〜ル♪」なんて叫ぶダンス系の店のことではなく、
もちろん将棋盤に向かい合って「王手飛車獲り!どうです、林葉さん?
まったなしですぜ」などといった趣味のサークルでもなく、ホステスが同席するような、銀座によくあるクラブのことだ。
口当たりのよいブランデーであっても、ストレートで一気にやろうとするのは、なかなかしんどい。
ところが、シュガー+レモンを噛じることによって、それをたやすくさせているわけだ。
ニコラシカは大概、何かのゲームのときの、罰ゲームの一気飲みとして使われる。
大きなグラスでの水割りはスマートではない。これなら、ひと息で済む。
しかも、ベースとなるブランデーのボトルが目の前にあるので、レモンスライスと砂糖さえあれば、手軽に何杯でもいけるわけだ。
もっとも、口当たりがいいから飲んでも酔わないかというとそうではなく、きつい酒をストレートで何杯もやれば、行く末はどうなるか、みなさんにも当然おわかりだろう。
「ロシア」「罰ゲーム」なんてワードを聞くと、私はどうしてもロシアンルーレットをイメージしてしまうのたが、まあ、どっちにしろ、罰を受けた方は死ぬ思いをすることに変わりはない。