'02.7.10

Diet

5月の終わりから開始し、4kg近い減量に成功した。
「たった4キロかよ」と言われるかもしれないが、66kg近かったのが62kgを切る手前なのだから、見た目だってずいぶんと変わったぞ。
よく人に言われるのが「顔がほっそりした」で、それと腹部周りの肉がほとんど消え失せ、アブドロなんとかのCMに出てくるモデルのような腹筋になったことだ。

先日、カレーの中に砒素を混入して保険金を騙し取るような体型の女性から「ダイエットのコツ」みたいなものを問われた。
彼女は私に、きっとラクして痩せる方法を訊き出せると思ったのだろう。

正直言って、朝食は何を食べてもいいとして、10時にシュガーたっぷりのコーヒーとバタークッキー、お昼は1000キロカロリー超えのコンビニ弁当、食後にまたもシュガー入りのコーヒー、デザートにチーズケーキ、そして3時のおやつには「甘いものは太るから」と言って歌舞伎揚げを三枚も食べ、夕食にレストランの激安ブッフェでこってりしたものをお腹いっぱい食し、そのデザートにアイスクリームとシュガー入りコーヒー、就寝前には「小腹が空いたわ」とばかりに、砂糖をまぶしたドーナツを二つも口にするような人が私と同じ減量をするには、食べていないときに走っているか泳いでいるかしないと無理だ。もちろん寝ないで。

それなのに、食べていないときはオフィスのデスクにどっかと座り、普通の人ならパソコンを使って2時間もあればできる見積もりを、白紙に丁寧に定規でラインを引き、ペン字の試験でもしているかのような文字で、しかも鉛筆を使って下書きまでして丸一日かけて仕上げ、家庭のストレスは部下いじめで発散し、ATMの切替ミスでお金を引落とせなかったからと言って銀行員を会社に呼び出し「お金がおろせなくて、お昼も食べられなかったのよ」と、極道の妻みたいな因縁をつけて喚き散らし、私が銀行員だったら「ダイエットができて、よかったじゃないですか」と言ってやりたいぐらいの不倫団地妻が真顔で言うのだから、たまったものではない。

結論から言うと、ラクして痩せるのは無理だ。
カロリーの摂取量を減らすか、体脂肪を燃やす努力をしないかぎり体重は減らない。

ただ経験者として、一つだけよいことを助言しよう。
体脂肪を燃やす効果として、基礎代謝が大きく作用しているということ。
これは年齢と共にどんどん減っていくもので、若いときと同じ食生活をしているのに太るというのは、そのせいなのだ。

そしてこの基礎代謝には、自立神経が大きく影響している。
代謝を促す自立神経は、交感神経と副交感神経の揺さ振りで活発化する。
交感神経を働かせるのに有効なのがカフェイン、カプサイシン、アリシンなどである。
カフェインはコーヒーから、カプサイシンはとうがらし、アリシンはにんにくから摂取できる。
私はこれらをブラックコーヒーとキムチで取ることにした。
正直な話、ノンシュガーのコーヒーとキムチは毎日、かかさず多めに取っている。
キムチ嫌いなアンチコリアンは、MY七味を持ち歩くことをお薦めする。
なまじ女子高生のやっていた『何でも七味』も、悪行とは言えないのだ。

それと、とうがらしがいいからといって、調子にのってパスタのペペロンチーノを食べ過ぎないこと。
小麦を使った麺類やパンに含まれるグルテンは、太らせる要素を十二分にもっている。
濃厚ソースのスパゲッティやこってりラーメンを食べ過ぎると、体が炭水化物を燃やすのに精いっぱいで、それに含まれたソースやスープの脂を分解し切れないということになる。

話は戻るが、交感神経だけを活発化させても、副交感神経も働かさないと代謝を促す効果は得られない。
副交感というのはリラックスしたときに活発化される神経で、ぬるいお風呂に長く浸かったり、ジャスミン茶でも口にしながら、まったりとした時間を過ごすというやり方で、効果があがる。
眠っているときがもっとも働くようで、交感神経をうまく高めてぐっすりと眠れれば、必然的に副交感神経も高まるということだ。
世に言うストレス太りは、副交感を高めることのできないところから生じるものと思われる。

それと注意しなくてはならないのは、副交感が活発化しているとき(主に寝ているとき)というのは、胃の中のものを体に蓄積しようと働くらしい。
よって、副交感を高める前には、脂質や糖分の多いものは食べないのが原則だ。
「食べて寝ると太る」と言われるのは、こういった理由からだ。

自立神経を活発化させることは肩こり、むくみなどにも効果がある。
事実、ダイエットを始めてからの私は、そういった体の障害もなくなった。

それと、やはり有酸素運動がないと蓄積された脂肪はなかなか減らないものだ。
率先して歩道橋を渡ったり、自転車で行くところを歩いてみたりするだけで、ずいぶんと違うので、常に体を動かすことを心がけよう。

私が述べたことを実践してみれば、急激に痩せることはなくても、それ以上に太ることはあり得ないと思う。
もちろん、有酸素運動をしたからといって「前よりお腹空くわ」とばかりに、今まで以上に洋菓子なんかをパクパク食べてはいけません。
どんなスポーツを30分程度おこなっても、1000kcalもは消費できません。
要は上で述べた基礎代謝を高めることと、過食を防ぐことです。

以上

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