マライヤ in 東京ドーム

私の予想は的中した。
今回の来日で、喉の調子があまりよくないのではと言われていた彼女だが、やはりそのとおりだった。

マライヤを一目見ようと足を運んだファンならそれで満足だっただろうが、彼女の7オクターブともいわれる音域と、ずば抜けた歌唱力を楽しみにしていた私としてはちょっと残念だった。

しかも、曲の三割が口パクだった。
それがなぜはっきりとわかるかというと、今までひしゃがれた声で歌っていたものが、その曲にかぎってCDとまったく同じになるし、アドリブも無い。
古い曲に多かったような気がする。

来客には、若い女の子が多かった。
熱狂的なファンというより、最近マライヤを知って、憧れ的な感覚で足を運んでいる者たちだ。
それは小室哲哉氏とラブラブな関係にある華原嬢の影響であると思われ、妙に借りてきた猫のようにおとなしかった。

私は最初の曲『エモーションズ』で、観客が総立ちになることを予想した。
が、わりと静かなのだ。
何曲か進むにつれてもその状況は変わらず、ずいぶんとおとなしいコンサートだった。

あまり納得のいったものではなかったが、ジャクソン5のカバー『I'll be there』を、映画MIBのサントラのバックコーラスをつとめたという男(名前が聴きとれなかった)とデュエットしたのには目を見張るものがあった。

もともと彼女は白人なのにブラック色を強く出している。
ジョイントするのも黒人ミュージシャンが多く、R&B調の曲の方が多い。

聖歌隊をバックに使ったり、『Boyz U Men』もどきを連れて来たりと、音楽的な方向がはっきりとしている。
彼女に黒人のファンがあまり付かないのは彼女が白人だからであって、ステージだけを見たら、ブラックと言ってもいいだろう。

まあ、全体的にマライヤの喉の調子のせいで、本来の歌声は聴けなかったものの、バックコーラスのバリエーションの豊富さとマライヤのコスチュームの変化だけが目立ったコンサートだった。

そうそう、『Boyz U Men』とのデュオ『One sweet day』は、彼らのビデオクリップを使っていました。
ちょっとマヌケっぽかったですけど。

それと、マライヤは『ホテル・フォーシーズンズ(椿山荘)』に泊まっています。
最寄りの駅は山手線の目白か、営団地下鉄の江戸川橋です。
目白駅からだと『田中角栄』さんの家の方に向かっていけば、それを通り過ぎ、右側に見えてきます。

でも、行っても会えませんが、彼女には。
個人的にスィートルームから出ることなどないですから。

以上