「トップに戻る」「前の月号へ

耳より情報(2015年10月号)  


◆透明凸点シール

パソコンのキーボードや電化製品の操作スイッチの中には、触っただけでは位置がわかりづらかったり区別がしづらかったりするものがあります。
そんな時に役立つものの1つが透明凸点シールです。
日本点字図書館わくわく用具ショップで取り扱っているシールが、大・中・小・薄型の4種類に増えました。
「大」は4種類の中で一番大きく盛り上がっていて、直径9.5ミリ×高さ3.8ミリ、18粒入り。
「中」は直径7.9ミリ×高さ2.2ミリで、22粒入り。
「小」は直径5ミリ×高さ1.5ミリで、24粒入り。
価格は大・中・小各460円。
「薄型」は直径4ミリ×高さ0.2ミリで、指先のじゃまにならない薄さで、素材の感触だけではっきりと識別できます。
二つ折りの携帯電話のボタンをはじめ、教科書やノートに貼るのに便利です。
24粒入りで495円。
配送手数料は、全国一律200円です。
例えばパソコンのキーボードに貼る場合、ホームポジションキー(F・J)には「小」を、エンター・タブ・シフトなど大き目のキーには「中」を、家電製品の場合もスイッチの大きさによって使い分けるのがおすすめです。
問い合わせ先:日本点字図書館用具事業課(電話03−3209−0751) 


◆超撥水ポンチョ

水泳の世界トップアスリートの水着にも利用されている朝倉染布株式会社の独自の技術、撥水加工「デュエリー」を施した、ポリエステル100%の撥水生地で作られたポンチョです。
リュックを背負ったまま着用できます。
生地本来の通気性があり、長時間着用しても蒸れません。軽くてサッと払えば雨が水滴となってこぼれ落ち、濡れずに快適に使用できます。
縫い糸には放電糸を使用し、静電気によるまとわりつきを防止します。
ポンチョをコンパクトにしまえる撥水巾着袋付きです。
家庭用の洗濯機で他の衣類と一緒に洗濯しても問題ありませんが、柔軟剤や漂白剤の使用は撥水機能の妨げとなりますのでお避けください。
サイズはフリーサイズで、着丈108センチ、身幅129センチ、フードの長さ43センチ、重さは330グラム。
レッドとブルーの2色あります。
価格は、税込み17064円です。
同じく超撥水の生地で作られたアームカバーは、柄物・無地など11種類あり、税込み3456円です。
問い合わせ先:朝倉染布(電話0277−44−3171)
朝倉染布直営ネットショプ http://www.nipponnagare.com/shopbrand/ct02_f/  


◆消費者ホットライン「188」

全国には消費生活センターが763か所あり、その他ほとんどの市区町村に消費生活相談窓口が設置されています。
「消費者ホットライン」は、地方公共団体が設置している身近な消費生活相談窓口を案内していて、今年7月から3桁の電話番号「188(いやや)」になりました。
消費者庁では「いやや!泣き寝入り」と覚えてほしいとのことです。
「断っても強引な勧誘が続く」「無料と聞いたのに高額な請求をされた」「製品が使用中に破損して、危険だと感じた」など、一人で悩まずに消費者ホットラインを気軽に利用してください。
全国どこからでも局番なしの「188」に電話をかけ、ガイダンスに従って郵便番号などを押すと地域の消費者センターに無料で転送され、相談ができる仕組みです。
利用料金は、消費生活センター相談窓口につながった時点からの通話料金のみ。
土日祝日に、市区町村や都道府県の消費生活センターが開所していない場合には、国民生活センターで相談を受け付けるなど、年末年始(12月29日〜1月3日)を除いて、原則毎日利用できます。 


◆若年性認知症コールセンター

アルツハイマー病や脳梗塞、脳出血などで脳細胞が傷つくなどして起こる認知症。
患者の数は2012年の時点で全国に約462万人と推計されていて、2025年には700万人に達するという。
これは、65歳以上の人のうち5人に1人が認知症になるという計算になります。
認知症と言うと高齢者の病気というイメージがありますが、40代、50代で発症する例も増えてきています。
特に64歳以下で発症した認知症を「若年性認知症」といいます。
発病年齢は平均で51歳といわれていて、厚労省の調査では、日本全国に4万人いると推計されています。
何度も同じことを繰り返したり話す、大事な予定を忘れてしまい指摘されても思い出せない、料理の手順などがわからなくなり作れない、計算ができなくなり買い物のとき小銭を出せない、怒りっぽくなるなど性格が変わる、などの兆候があります。
仕事や生活に支障をきたすようになっても、まだ若いという思いで認知症であるとは気付かなかったり、病院で診察を受けても、うつ病や更年期障害などと間違われることもあります。
京都府では、若年性認知症の患者を支援する電話相談窓口「若年性認知症コールセンター」を開設し、「相談をきっかけに、重度化を遅らせることにつながる早期発見、早期診断に結びつけたい」としています。
京都府若年性認知症コールセンター:0120ー134−807
京都府認知症コールセンター:0120−294−677
また、認知症介護研究・研修大府(おおぶ)センターの「若年性認知症コールセンター:0800−100−2707」でも、相談を受け付けています。
全国どこからでも、携帯電話からでも無料です。 


◆書籍「ブラインド探偵(アイ)」

作者の米田京氏は、出版社勤務を経て、会社経営、そしてアメリカに出版社を設立するなど活躍していましたが、2009年に糖尿病性緑内障で失明しました。
その後、耳で聴く読書を通して小説の世界に没頭、やがて小説を自ら書くという目標を見つけました。
東京都北区が主催する「北区内田康夫ミステリー文学賞」に応募し、特別賞を受賞しました。
選者の内田康夫氏から「視覚を欠くハンディキャップを聴覚と嗅覚で補って、鮮やかな推理を駆使する主人公の人物造形が非常によかった」と評されました。
この受賞作を連作化し、4編の新作を加えて、実業之日本社から出版された「ブラインド探偵(アイ)」は、研ぎ澄まされた感覚と推理で、全盲の探偵が難事件に挑む連作ミステリーです。
事故によって失明したが、まとめサイト「魔と眼」を運営しながら東京北区に暮らす元雑誌記者の川田勇。
自宅の大家の死亡事故を解明に導き、地元警察に協力をしたことから、Blind Investigator(盲目の探偵)「ブラインドi(アイ)」と命名されました。
鋭敏な感覚と推理力、ガイドヘルパーの田辺弘子のサポートを武器に、幽霊団地、ゴーストライター騒動などの謎に立ち向かいます。
この本は音声デイジー化されています。
サピエ図書館からダウンロードするか、ご利用の点字図書館にお尋ねください。
「ブラインド探偵(アイ)」 米田京著、実業之日本社文庫、本体価格593円 


◆バリアフリー上映「メガネで観る字幕ガイド・スマホで聴く音声ガイド」

2016年4月に障害者への差別的な扱いを禁じる障害者差別解消法が施行されますが、それを前にして、視覚や聴覚に障害がある人も一緒に映画を楽しめるよう、字幕や音声の出る機器を使った実証実験が始まっています。
これは、アプリ「UDCast(ユーディーキャスト)」と機器を使って、字幕ガイド・音声ガイドを提供するシステムです。
9月から11月にかけて、東京都と埼玉県の3映画館にて邦画6作品で試験的に導入します。
視覚障害者は、アプリをダウンロードしたスマートフォンなどとイヤホンを使って、聴覚障害者は、メガネのように装着すると目の前に文字が浮かび上がって見えるヘッドマウントディスプレーを使って鑑賞します。
映画の音声に潜り込ませた、人には聞こえない周波数帯の信号をキャッチすると、スマートフォンなどにリアルタイムで字幕や音声を流します。
これによって、今までのような特別なバリアフリー上映会でなくても、ほかの観客と一緒に楽しむことができるようになります。 


◆iPhone向け文字入力アプリ「Move & Flick(ムーブアンドフリック)」

NTTドコモは、iPhone向けの新たな文字入力アプリとして、手元を見ずに文字入力操作が可能となる「Move & Flick」を無料で提供しています。
これまでスマートフォンで文字入力をする際は、あらかじめ画面に配置されたひらがな、アルファベット、数字などの「文字入力キー」の位置を正確に把握し、タッチする必要がありましたが、「Move & Flick」を利用すると、画面に文字入力エリアが大きく表示され、文字入力エリア内であればどこからでも文字入力が可能です。
従来の文字入力キーの位置の把握が難しい視覚障害者は、このアプリを利用することでさらに便利に利用できます。
画面にタッチした位置を中心に文字入力キーが表示されますので、その位置から8方向のいずれかに移動させ子音を選択、子音を中心に入力キーが新たに表示されます。
指を離さないまま更に8方向のいずれかに移動させて母音を選択すると、ひらがな入力ができます。
文字入力エリアの両サイドには、入力文字を漢字変換する機能、文字入力が正確かどうかを読み上げる機能が配置されています。
ドコモの契約に関わらず、iOS8.1以降のiPhoneで、AppStoreからダウンロードして利用できます。 


今月の耳より情報は以上です。


 

  トップに戻る