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耳より情報(2016年5月号)  


◆「4しょく会」春のイベント

視覚障害者文化を育てる会(通称4しょく会)の今回のイベントは、「どっぷり+あっさり=どっさり 学び方・働き方・生き方:視覚障害者らしさの大研究」と題し、視覚障害者らしさを肯定できる集団の底力「盲人力」について考えます。
比較的早い時期に失明した人、あるいは盲学校卒業生で、点字に対する愛着が強く、視覚障害者のオリジナリティにこだわっている「どっぷり盲人」。
いわゆる中途失明者で、盲学校とはあまり縁がなく、仕事・生活においてはパソコンによる墨字処理を中心とし、点字には頼らない「あっさり盲人」。
視覚障害者コミュニティが「どっぷり」と「あっさり」に二分されるのは、多様性という意味で歓迎すべきでしょう。
しかし、視覚障害者全体の利益、集団としての独自性を模索する学び方・働き方・生き方も重要なのではないでしょうか。
イベントの前半は、京都府立盲学校のベテラン教員で、日本盲教育史研究の第一人者でもある岸博実さんによる講演「盲学校の過去・現在・未来」、後半は、どっぷりとあっさりの狭間を生きる2名の若手による意見発表です。
自身の視覚障害とどのように向き合いながら、日々の暮らしを送り、仕事に取り組んでいるのか、大阪府立大阪南視覚支援学校教員の角田華子さんと、大阪府職員の井端誠さんにお話しいただきます。
イベント終了後、会場近くにて懇親会を行いますので、希望者はご参加ください。会費は4000円程度の予定です。
日時:6月11日(土)午後1時30分〜4時45分(受付は1時から)
会場:豊中市立蛍池公民館5階「第1集会場」
参加費:会員および学生300円、非会員500円
集合:午後1時に阪急「蛍池駅」の改札口を出た所に集合
申し込み:6月3日(金)までに電話かメールで、(1)名前・ふりがな(2)電話番号かメールアドレス(3)配布資料は点字・墨字のいずれを希望するか(4)懇親会の出欠の以上4点をお伝えください。
電話は、佐木さん(080−2527−9383)に、平日の午後9時〜11時または日曜の午前10時以降に、メールは広瀬さん(hirose@idc.minpaku.ac.jp)にお願いします。
尚、懇親会出席申し込みの方で当日の欠席変更は、キャンセル料をいただく場合がありますので、ご了承ください。 


◆「第14回オンキヨー世界点字作文コンクール」作品募集

オンキヨー株式会社、公益財団法人「日本教育科学研究所」、毎日新聞社点字毎日の主催による点字作文コンクールの作品を募集しています。
対象は重度視覚障害者で、点字だけではなく活字での応募もできます。
テーマは、点字や音楽を通して生き方が変わった体験、国際交流や平和への思いなど。
また、視覚障害者の思いを曲や歌にするための「作詞賞」と、視覚障害者の家族や視覚障害者と接する方々の作文を対象とした「サポート部門」もあります。
11月1日発表予定で、最優秀オーツキ賞(1編、20万円)のほか、成人(優秀1、佳作1)、学生(優秀1、特別賞1)、作詞(1)、サポート(優秀1、佳作1)の計8編を選び、全員にミニコンポの贈呈と表彰があります。
入賞作品は点字作品集にして、全国の図書館などに贈られます。
締め切り:5月31日(火)消印有効
募集要項申し込み先:点字毎日(電話06−6346−8386) 


◆第10回神戸ライトセンターまつり

視覚障害者のトータルサポートを目指して、ボランティアやNPOの活動紹介や楽しいイベントが行われます。
見えない人・見えにくい人・見える人も皆さん集まりましょう。
日時:6月5日(日)午後1時30分〜4時
会場:中山記念会館内 神戸ライトセンター(阪急「春日野道駅」、神戸市営地下鉄「新神戸駅」から徒歩約10分)
内容:ミニコンサートや朗読劇、ミニ講演「点字ブロックの話」などのイベント。
近くの公園で視覚障害者とボランティアが一緒に歩く「伴歩体験会」、ボランティア団体の活動紹介やスポーツ・旅行などの相談、点字体験など。
1階には常設で、便利グッズや機器の展示があり、直接触れて体験できます。
問い合わせ先:神戸ライトセンター運営協議会(電話080−4024−6664) 


◆富田清邦氏CD選集「地歌端唄物選集」

株式会社「邦楽の友社」から、日本盲人会連合音楽家協議会長・富田清邦氏のCD選集「地歌端唄物選集」が、4月1日に発売されました。
CD1枚に各曲解説・藝談・歌詞を収めた12ページのブックレットが付いています。
収録曲は「高砂」「靭猿」「菊の露」「名護屋帯」「桶取」「袖の露」「浮舟」「雉子」「閨の扇」「忘れ唱歌」の10曲で、価格は税込み3000円。
演奏会では歌い映え・弾き映えのする大曲が選ばれる傾向にあり、次第に耳にする機会が減っている端唄物。
男女の色恋や遊離の情緒を歌う艶物が多い端唄物には、時代を超えて人情の機微を穿つ名曲の数々が収録されています。
問い合わせ先:日盲連用具購買所(電話03-3200-6422)、または清和会事務局(電話03−3303−1230) 


◆視覚障害者クライマーへの支援Tシャツ

アウトドア用品やウエアを手がけている「ザ・ノース・フェイス」は、視覚障害者のクライミングをサポートするNPO法人「モンキーマジック」を支援するTシャツを、4月上旬より販売しています。
売上の一部がモンキーマジックに寄付されます。
「モンキーマジック」のアイコンである猿が、見えなくても登れるという「No sight But on sight!」のメッセージを登っているデザインが、背中側に描かれています。
点字の立体プリントもあり、静電気の発生を抑える静電ケア設計で、肌触りがよく吸汗・速乾性に優れた生地を使用しています。
カラーは男性用が6色、女性用は5色あり、サイズはそれぞれS・M・L・XLで、本体価格は4500円。
ジュニア用は100から150までの6サイズで、3500円です。
また、このTシャツは、モンキーマジックに支援の寄付(一口5千円)を直接した方にも、サポートメンバーとしていただけます。
問い合わせ先:モンキーマジック(電話0422−20−4720) 


◆ヘルプマーク

ヘルプマークとは、配慮やサポートが必要なのに、外見からはわからない人たちのための新しいマークです。
義足や人工関節を使用している方、また内部障害や難病の方など、支援が必要にもかかわらず、周りの方に気づいてもらえないことがあります。
そういった方たちが、周りの人に自分が困っていることを知ってもらいたい、助けてもらいたいというときに、援助を必要としていることを周囲に知らせることを目的として作成されました。
2012年に東京都が制定し、作成・配布していましたが、4月より京都府も西日本で初めてヘルプマークの配布を開始しました。
他に、青森県、徳島県、札幌市でも導入されるなど、全国でヘルプマーク導入の動きが加速しています。
ヘルプマークの大きさは、縦8.5センチ、横5.3センチで、クレジットカードくらいです。赤地に、白いプラスとハートのマークを縦に並べたデザインです。
取り付け用のストラップが付いていて、触るとプラスとハートの形が少し盛り上がっているのが表、平らな方が裏です。
裏には、緊急時に必要な連絡先や必要な支援などを書いたシールを必要に応じて貼ることもできます。
鞄などにつけることで、電車やバスで周囲の支援を受けやすくなります。
京都府では希望者に無料で配布していて、京都府庁障害者支援課、家庭支援総合センター、保健所、各市町村役場、京都府難病相談・支援センターなどで受け取れます。
問い合わせ先:京都府健康福祉部障害者支援課(電話075−414−4598) 


◆マッサージ器で骨折の危険

家庭用電気マッサージ器を使用中に、体を強く圧迫されて骨折をしたり、内出血したりする事故が高齢者を中心に発生しています。
国民生活センターには、「マッサージチェアに挟まれてあばら骨が折れた」「途中で痛みを感じたが機器の止め方が分からず、足が赤く腫れた」といった相談が数多く寄せられています。
体調を改善するつもりが逆効果になってしまうこともあり、注意を呼びかけています。
被害者の約6割が60歳以上で、女性が全体の7割を占めています。
高齢者は、骨密度が低下して骨折しやすくなる「骨粗しょう症」にかかる割合が高く、特に女性は閉経で女性ホルモンが急激に減少することで骨密度が低下し、同年代の男性よりも骨がもろくなる傾向にあります。
治療に3週間以上かかったケースが全体の約2割あり、足首や肋骨の骨折や脊髄の損傷といった大けがにつながった例もあります。
事故が起きる原因として、適切な使い方を知らないまま使用しているケースが多く、使用が禁止されている疾病があることなどについて、販売事業者から十分に説明されていないケースもあります。
また、マッサージチェアに座るなどしてリラックスしている時は、骨を守る筋肉が緩んでいるため、強く圧迫されるとけがをするリスクが大きくなるという指摘もあります。
国民生活センターでは、使用前に操作方法や使用条件を確認することや、使用の際はマッサージの強さを「弱」から始めることなどを呼びかけています。 


◆京都ライトハウス「情報ミニバザー」開催

京都ライトハウス情報ステーションからのお知らせです。
日時:5月21日(土)午前10時〜12時は視覚障害者専用、午後1時〜3時は一般
会場:京都ライトハウス4階ホール
お問い合わせ:情報ステーションバザー世話人会(電話075−462−4426) 


今月の耳より情報は以上です。


 

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