耳より情報(2017年1月号)
◆会津漆器「めぐる」が販売再開
視覚障害者の感性を取り入れた会津漆器の新しいブランド「めぐる」の第2期の受注が始まりました。
漆を未来に残そうと取り組む会津若松市の「漆とロック株式会社」が企画し、視覚障害者らが活躍するイベント企画団体「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」が商品開発に協力、器の制作は市内の四つの漆器工房が担当しています。
ずっと手の中に包んでおきたくなる、まるで人のぬくもりそのものの優しい形の器は、一生ものです。
制作では全盲の女性3人が漆器の現場を訪れ、器の厚さや手で持つ感覚などに細部までこだわりました。
「めぐる」の名前は、何度も塗り直し、世代を超えて「巡っていく」という願いから名付けられ、売り上げの一部は漆の苗の購入に充てられます。
年に数回、期間を分けて数量限定での受注となっていて、第2期分はそれぞれ30〜50セット限定で注文を受け付けています。
二つのデザインがあり、丸みを帯びた「日月」は花塗りと拭き漆の2種類、安定感のある「水平」は朱色と黒の2種類で、それぞれ大・中・小があります。
価格は、1個税込み価格7560円から、大・中・小の3個セットは税込み価格27000円から。専用サイトから購入を受け付け、発送は4月から5月頃になります。
公式サイト http://meguru-urushi.com/
問い合わせ先:漆とロック(電話0242ー85ー6803)
◆神戸ライトサロン開催
特定非営利活動法人神戸アイライト協会の主催、きんきビジョンサポートとJRPS兵庫の後援で、神戸ライトサロンが開催されます。
見えない・見えにくいことで困っている方、ご家族の方、どなたでも参加できます。
今回のミニ講座「見えない光」は、理化学研究所の研究員である松山オジョス武氏による光受容体「メラノプシン」の研究についてのお話です。
また、タイムズコーポレーションの拡大読書器やルーペなどを試すこともできます。
ミニ講座の後は、小グループに分かれての交流会があります。同じ思いをもつ仲間との出会いがあるかもしれません。
日時:2月4日(土)午後1時30分〜4時30分
会場:中山記念会館2階(阪急「春日野道駅」から北西へ徒歩約10分)
参加費:無料
定員:30名(スペースの関係上、事前予約制となっています)
申し込み先:神戸アイライト協会(電話078−252−1912)
◆iPhone体験会
日本ライトハウス情報文化センターの1月のICTサロンは、NTTドコモのスタッフが講師を担当するiPhoneの体験講習会です。
iPhoneの基本的なジェスチャー操作や電話の発着信を中心とした基本操作の講習会です。
当日は、iPhoneを一人1台ずつ準備していますので、説明を聞きながら操作を実際に体験できます。
日時:1月28日(土)午後2時〜4時30分
定員:14人(先着順です)
申し込み先:日本ライトハウス情報文化センター・サービス部(電話06−6441−0039)
◆フラッシュハーフボール
直径5センチのボールを半分に切った半球の形をしたキーホルダーで、表面にはサッカーボールのイラストが描かれています。
断面の中央には長方形のソーラーパネルと、パネルの上には横にスライドするスイッチがあり、左にスライドさせるとスイッチがオンになります。
うす暗くなって揺れると、暗さと振動を感知するセンサーが反応し、本体の球面に赤色LEDが発光します。
また本体球面の反射材によりピカッと反射しますので、夜間の交通事故防止に役立ちます。
明るい時は発光しません。日中に太陽光などで充電できるソーラーパネルを使用していますので、電池交換が不要で経済的です。ただし、防水ではありませんので、雨や湿気には注意が必要です。
税込み価格は1個650円ですが、別途配送手数料が1回の注文につき200円かかります。
問い合わせ先:日本点字図書館わくわく用具ショップ(電話03−3209−0751)
◆触察絵本「テルミ」
1983年に小学館から日本初の目の不自由な子供向けの点字学習絵本雑誌として創刊され、現在は日本児童教育振興財団が発行している「テルミ」は、今も人気の絵本です。
テルミは、熱を加えると膨らむ発泡インクを使って、動物や乗り物などの形が触って分かるようにした手で見る触察絵本です。
点字だけでなく活字でも印刷されていて、目の見えない子も見える子も一緒に楽しめるユニバーサルデザインの学習絵本です。
最新号の12・1月号は、「お正月めいろ」「トナカイのこっかく」「虫食いクイズ」「日本の国ぎ・すもう」「作って食べよう・ニコニコクッキー」など楽しい記事がたくさん。
「テルミ」最新号の詳しい説明が、テレホンサービスで聞くことができます。
フリーダイヤル:0120−132−845
テルミは通信販売で、年6回隔月刊、1冊400円、年間購読料は2400円です。年間購読のほか、希望号のみの購入もできます。
申し込み・問い合わせ先:日本児童教育振興財団テルミ係(電話03−5280−1501)
◆映画「ブラインド・マッサージ」
中国のロウ・イエ監督作「ブラインド・マッサージ」は、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞し、台湾のアカデミー賞と呼ばれる金馬奨で作品賞を含む6冠に輝きました。
1月14日から全国で上映されています。
原作は、畢 飛宇(ひつ ひう)著の「ブラインド・マッサージ」で、白水社から出版されています。
原題は「推拿(すいな)」。
南京のマッサージ店で働く盲目のマッサージ師たちの喜びと悲しみ、善意と悪意、夢と現実をリアルに描いた長編で、暗闇の中ひと筋の光明を求め、懸命に生きる姿が胸を衝きます。
この「ブラインド・マッサージ」の音声デイジーはただ今作製中で、7月頃にはサピエ図書館に登録される予定です。
◆ワードにAI、視覚障害者向け写真説明を自動生成
アメリカのマイクロソフト社は、2017年早々に「ワード」と「パワーポイント」で写真の説明を自動生成し、文書に加えられるようになると発表しました。
まず業務ソフト「オフィス365」の利用者が、ウィンドウズパソコンでこのサービスを使えるようになります。
視覚障害などで画像が見えない場合、パワーポイント作成時に写真を埋め込む際、画像の内容を表した文章(代替テキスト)が入力されていないと、写真の内容が分からず、充分に理解できない怖れがあります。
マイクロソフトはこの状況を変えるため、写真の代替テキストの生成プロセスを自動化することにしました。
この技術ではディープラーニング(深層学習)という人工知能(AI)の一種を活用して写真の中の物体を認識し、その写真全体を説明する最適な表現を見つけ、これをウィンドウズのスクリーンリーダーが読み上げます。
フェイスブックもこれと似たサービスを開始。利用者がシェア(共有)した写真の説明を自動生成する仕組みを導入しました。
視覚障害者がアップルの「iOS」搭載端末でフェイスブックのニュースフィードをスクロールすると、iOSの画面読み上げ機能「ボイスオーバー」がすぐに自動生成されたキャプションを読んでくれます。
これにより、視覚障害者は他の利用者が投稿した写真の内容やコメントを理解できるようになりました。
◆日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンター職業訓練生募集
視覚障害リハビリテーションセンターでは視覚障害者を対象として、大阪障害者職業能力開発校からの特別委託訓練として職業訓練を行っています。
求職中の方は各公共職業安定所からの受講指示によって、大阪障害者職業能力開発校に入校する形で訓練を受講します。
募集定員は、情報処理科1年コース4名、ビジネス科電話交換コース2名、ビジネス科会計・経営コース2名。
訓練期間は全コースとも1年間です。全コースを通じて、パソコン訓練(ワードによるビジネス文書の作成、エクセルによる表作成の基本操作)を共通訓練として実施。
コース別のガイダンス訓練も実施し、希望によって、所属コースに関わらず専門訓練も並行して受講することができます。
訓練期間は平成29年4月6日(木)〜平成30年3月13日(火)で、時間は祝日を除く平日、午前9時から午後5時まで。年末年始、春休み、夏休みは訓練が休みとなります。
応募に必要な条件は、自力で通所が可能であること、視覚障害1級〜6級の手帳を所持していること、ハローワークで身体障害者として求職登録していること、職業訓練を受けることにより就労が見込めること、事前に来所して、来所相談を受けていること。
願書は2月2日(木)までに、原則として居住地を管轄するハローワークに提出します。
入校選考試験を受験する際の受験方法についてのチェックリストやレポートの提出などが必要です。
詳しいことはホームページをご覧ください。http://www.lighthouse.or.jp/
問い合わせ先:日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンター相談室(電話06−6961−5521)
◆第68回全国盲人総合相談 今月の耳より情報は以上です。
「トップに戻る」
日本盲人会連合の第68回全国盲人総合相談が2月10日(金)、東京・西早稲田の日本盲人福祉センターで行われます。
相談科目は、法律(午前10時〜12時、日盲連顧問弁護士・大胡田誠氏)、眼科(午後1時〜3時、順天堂大学眼科医師)、生活(午前10時〜午後3時、日盲連相談室・工藤正一氏、下堂薗保氏)の3科目。
対象は視覚障害者本人またはその家族などで、費用は無料。
個人面接で行われますが、来所できない場合は電話、手紙での相談にも対応。
面接及び電話相談は前日までにご予約を。緊急の場合は当日でも受け付けてもらえます。
問い合わせ先:社会福祉法人日本盲人会連合事業部(〒169−8664 東京都新宿区西早稲田2−18−2、電話03−3200−0011、FAX03−3200−7755)