耳より情報(2017年2月号)
◆視覚障害の認定基準見直し、厚労省が有識者検討会
厚生労働省は、視覚障害がある人に身体障害者手帳を交付する際の認定基準を巡り、有識者検討会を設置。
1月23日の初会合では、片目の視力を基準とした場合の障害等級の分け方を議論しました。
日本眼科学会などが、現行基準が生活の不自由さを適切に反映していないため、現行の認定基準を見直すよう提案していました。
現行基準では、障害の程度を左右の視力(近視や遠視などでは矯正視力)の合計などで判定し、手帳を交付します。
視覚障害者への交付数は、2016年3月時点で約34万人。
日本眼科学会などがまとめた見直し案では、どちらか良い方の視力で判定する方法を採用しました。
例えば、左右の視力が0.08と0の人は、現行基準だと両方とも0.04の人と同じ3級になりますが、文字を読むのは前者、歩行などは後者が有利になるなど、実生活で違いがあるといわれています。
片方の目を失明した人の団体は、一方の目が見えない場合は、もう一方の視力に関係なく視覚障害者に認定するよう求めています。
また、日本盲人会連合会長の竹下義樹弁護士は「等級が1つ変わると受けられる福祉が大きく異なる。変更は慎重に検討すべきだ」と述べています。
◆東宝映画が音声ガイドに対応したバリアフリー上映開始
東宝は1月28日より、音声ガイドに対応したバリアフリー上映を開始しました。
この音声ガイドは「UDCast(ユーディーキャスト)」方式で、予め専用の無料アプリ「UDCast」をインストールしたスマートフォンやタブレット端末が必要です。
これらの端末にイヤホンをつなげて映画を鑑賞すると、映画のシーンに同期して音声ガイドがイヤホンから流れてくるシステムです。
映画館での機器の貸し出しは行っていませんので、ご自身のスマートフォンなどをご持参ください。
予定されている作品は、「本能寺ホテル」「恋妻家宮本」「破門 ふたりのヤクビョーガミ」「サバイバルファミリー」などで、全ての上映劇場、上映回で利用できます。
また、松竹や東映も一部の作品でUDCast方式の音声ガイドを付けています。
UDCast問い合わせ窓口:フリーダイヤル0120−291−088
◆「ことばの道案内」アンドロイド版スマホアプリ無料提供
ことばの道案内アプリ「Kotonavi(コトナビ)」は、ことばによる道案内情報の読み上げを行うスマートフォンのアプリです。
視覚、聴覚、肢体などが不自由な方々にも使いやすいユニバーサルな設計に基づいて作成されています。
ブラウザアプリを使わずに、このアプリでウォーキングナビのWEBサーバに直接接続し、情報を整理して利用者に分かりやすく提供します。
スマートフォン・タブレットの音声入力・音声読み上げやジェスチャ操作などの各種機能を活用し、使いやすくするほかに、GPS機能を利用して施設検索や、目的施設までの距離がわかります。
「Kotonavi」は、Google Playストアから無料でインストールすることができます。
詳細は、ことばの道案内のホームページでご確認ください。
http://walkingnavi.com/application_info.php
◆神戸アイライト協会「ロービジョンサポートフェア」
目が見えにくくなると、歩行や文字・映像からの情報入手、日常生活などのさまざまな困難に直面しますが、少しの工夫や介助、便利な用具を利用することで改善されることもたくさんあります。
ロービジョンサポートフェアは、このような情報や用具を紹介するイベントです。
日時:3月4日(土)正午〜午後4時
内容:講演会、機器展示、音声パソコン体験、相談会など
医療講演のテーマは「眼科と地域の視覚リハ施設との連携」、講師は眼科医で理化学研究所研究員の仲泊聡氏です。
参加費:無料
会場:講演会は神戸市立葺合文化センター・大ホール、機器展示と相談会は中山記念会館
問い合わせ先:神戸アイライト協会(電話078−252−1912)
◆きんきビジョンサポート・KVSサロン
平成21年から始まったこの制度は、裁判員として刑事事件に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするのかを裁判官と一緒に決める制度です。
ニュースですっかりお馴染みの言葉ですが、日常とはかけ離れた世界です。
もし自分が選ばれたらどうなるんだろう?人を裁くなんて責任が重いことを自分は本当にできるのだろうか?など、様々な疑問が沸き起こってきます。
2月のKVSサロンでは、裁判員制度に精通した講師にわかりやすく解説していただきます。
この機会に改めてこの制度について、一緒に考えてみませんか?
日時:2月19日(日)午前10時〜12時
会場:日本ライトハウス情報文化センター4階会議室(大阪市営地下鉄四つ橋線「肥後橋駅」2号出口すぐ)
参加協力費:500円
定員:24名(先着順)
続いて3月のサロンのご案内です。
視覚障害者のホーム転落事故のニュースが続いています。
みなさんは、どのように感じ、安全に歩行するには何が必要だと思われますか。
3月のサロンは、視覚障害者のホームでの歩行について歩行訓練士と一緒に考える機会にしたいと思います。ぜひご参加ください。
日時:3月5日(日)午前10時〜12時
場所:日本ライトハウス情報文化センター4階会議室
参加協力金:500円
参加ご希望の方は、メールの件名に「2月KVSサロン参加」または「3月KVSサロン参加」と書いて、本文にお名前と連絡先の電話番号をお書きください。
メール info@kvs.cc
問い合わせ先:きんきビジョンサポート(電話070−5504−2539)
また、2月26日(日)午前10時〜12時に、大阪府池田市立池田病院のロービジョンサロンが開催されます。
院内サロンスタッフによる「当事者の話」です。
参加費は無料です。参加ご希望の方は、できるだけ1週間前までにお電話かメールで、池田病院眼科の視能訓練士・宮崎さんまでお申し込みください。
電話は、072ー751ー2881(池田病院・内線5134)に、午後3時30分〜4時30分の間にお願いします。
メールは、件名に「病院サロン」と書いてください。
メール nobuko-miyazaki@hosp.ikeda.osaka.jp
◆クローバー就職フォーラム in 大阪
人材サービスを手掛ける株式会社ジェイ・ブロードが、就職・転職を希望する障害者のための合同就職面接会「クローバー就職フォーラム in 大阪」を開催します。
このフォーラムには、障害者の採用に積極的で、雇用実績のある、環境が整った企業が多数参加しています。
興味のある会社や働きたい会社の採用担当者と直接会って話し、自己PRができます。
また、キャリアカウンセラーによる就職相談コーナーもあります。
入場無料で入退場は自由ですが、事前に予約申し込みをして下さい。
事前予約の上参加された方には、参加証と引き替えにQUOカード(500円分)プレゼントの特典があります。
日時:3月18日(土)午後1時〜5時(受付は12時15分から)
会場:大阪マーチャンダイズ・マート(OMM)ビルの2階展示ホール(京阪電車「天満橋駅」東口、大阪市営地下鉄谷町線「天満橋駅」1番出口からOMMの地下2階に直結)
予約申し込み先:クローバー障害者就職支援事業部事務局(電話0120−309−968)、または、クローバーナビのホームページ(www.clover-navi.com/forum/)から。
◆朗読劇CD「ほのかな灯火」
昨年10月に開催された平成28年度滋賀県視覚障害者福祉大会で行われた朗読劇「ほのかな灯火」を収録したCDです。
「ほのかな灯火」は、滋賀県において視覚障害者の教育と福祉の礎を築いた山本清一郎先生夫妻の物語で、6人の朗読者によって演じられています。
このCDは音楽CDで、録音時間は46分です。
サピエ図書館には資料として登録されていませんので、お近くの点字図書館を通してお借り下さい。
問い合わせ先:滋賀県視覚障害者福祉協会の貸し出し係・小泉さん(電話0749−22−8220)
◆アイフレンズ取扱商品一覧の点字版
視覚障害者関連機器の総合販売店「アイフレンズ」が、取り扱っている商品一覧の点字版を作成しました。
ご希望の方は電話かメールでお申し込み下さい。
メールの場合は、件名に「点字取扱商品一覧希望」と書いて、本文に名前・電話番号・住所をお書きください。
申し込み先:アイフレンズ(電話06−6462−1594、メールinfo@eyefriends.jp)
今月の耳より情報は以上です。
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