耳より情報(2020年5月号)
◆視覚障害者向け電話相談窓口
「行列のできない電話相談所」
全盲の弁護士・大胡田誠氏が代表を務める「おおごだ法律事務所」が、電話による無料相談を行っています。
新型コロナウイルスの流行で生活に出た様々な影響や、今後の雇用への不安、外出自粛で家族関係がぎくしゃくしてしまっているというような、悩みを抱えている方々が少しでもその心の重荷を軽くできることを願って開設されました。
法的な問題についての相談に限らず、自分が利用できる福祉の制度はあるのか等の相談や、悩みや寂しい気持ちなど誰かに聞いてもらいたい思いを抱えている方は、ご相談ください。
お話を伺うのは、男性の大胡田弁護士か、女性の社会福祉士・西園寺さんです。
弁護士および社会福祉士には守秘義務がありますので、電話相談で話した内容が、どのような形でも第三者に伝わることはありません。
費用:無料(30分)
相談方法:電話
日程:月曜日〜金曜日の9時〜18時(その他の日時は要相談)
申し込み:メールで、電話番号と都合のよい日時、希望の担当者がいればその名前をご連絡ください。
メールアドレス:info@oogoda-law.jp
「おたすけ電話相談窓口」
新型コロナウイルス感染拡大を受け、NPO法人「日本ブラインドサッカー協会」が、視覚障害者向けに「視覚障がい者ならどなたでも!おたすけ電話相談窓口」を開設しました。
視覚障害者と家族が対象で協会職員が対応します。
外出自粛を強いられる中、視覚障害者も「通い慣れたスーパーが品薄。別の店を教えてほしい」、「盲導犬がストレスを抱えている」、「自宅で体を動かしたい。全盲でも分かるよう(音声で)説明してくれる動画が欲しい」など困りごとが増えています。
障害者や家族には高齢者も多く、パソコンなどで情報を得にくいことから、協会職員が対応窓口を紹介したり、直接問い合わせたりします。
協会では「スポーツだけでなく、一般の視覚障害者に可能な限り協力したい」としています。
費用:無料
開設期間:5月6日まで(延長も検討中)
相談窓口:電話050−3627−5015(対応時間は、祝日を除く10時〜12時半、14時〜16時半)
◆新型コロナウイルス関連の詐欺に注意
新型コロナウイルス感染症に関連した詐欺やトラブルが多数発生しています。
国や地方公共団体の給付金・助成金を装った詐欺、布マスクの全戸配布に便乗した怪しいメールや電話、悪質な勧誘が増えています。
少しでもおかしいと感じたら国民生活センターや消費生活センター、警察相談専用電話などにご相談ください。
「新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットライン」
国民生活センターでは5月1日から、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策の給付金について、詐欺などの消費者トラブルの相談を受ける専用窓口を設けました。
「新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットライン」は、フリーダイヤル0120−213−188、毎日10時〜16時で、当面の間続けます。16時以降は、国民生活センター(03−3446−1623)で受け付けます。
「消費者ホットライン」
お近くの消費生活相談窓口の電話番号が分からないときは、「消費者ホットライン188(いやや)」をご利用ください。
局番なしの188は、最寄りの市町村や都道府県の消費生活相談窓口を案内する全国共通の3桁の電話番号です。
188につながりましたらアナウンスに従い、お住いの郵便番号を7桁で入力してください。
相談窓口につながった時点から通話料金が発生します。相談自体は無料です。
受付時間は相談窓口ごとに異なります。窓口が開所していないときは、電話番号と受付時間の案内があります。
「警察相談専用電話」
警察相談専用電話「#9110(シャープ きゅう いち いち まる)」は、犯罪や事故の発生には至っていないが、警察に相談したいことがあるときにご利用ください。
全国どこからでも、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口に直接つながります。
受付時間は、平日の午前8時30〜17時15分、土日・祝日・時間外は当直または音声案内での対応になることもあります。
通話料は利用者負担です。
◆厚生労働省が視覚障害者の買い物代行容認
新型コロナウイルスの感染拡大で、視覚障害者がガイドヘルパーの同行を受ける国の福祉サービスを利用できず、外出しづらくなっているとして、厚生労働省がヘルパー単独での買い物代行を認める事務連絡を全国の自治体に出しました。
感染を恐れて仕事を控えるヘルパーや依頼を自粛する利用者が増え、視覚障害者団体が改善を要望していました。
サービスは障害者総合支援法に基づく「同行援護」で、外出にヘルパーが付き添うと国や自治体などが費用を負担しますが、同行が前提のため、買い物代行などヘルパーだけでの外出は公費負担の対象外でした。
◆視覚障害者支援スマホアプリ「これなにメモ」
株式会社インテックが、「モノ」と「情報」を結びつける視覚障害者向けスマートフォンアプリ「これなにメモ」を公開しています。
「これなにメモ」は、視覚障害者が身の回り品を管理することをサポートする無償のiPhone用アプリで、視覚障害のあるインテックの技術者が、自身の経験をもとに企画・開発を行いました。
視覚障害者は、形の似ているものを手触りだけで区別することが難しいです。
「これなにメモ」は、「画像処理」と「音声読み上げインターフェース」によって、それが何であるかを教えてくれるスマートフォンアプリです。
触っただけでは区別できないカードやCD、薬などを判別したいときに便利です。
たとえば、財布の中の大量のカードについて、カードの写真と情報をあらかじめ「これなにメモ」に登録しておけば、iPhoneのカメラでカードを写すと「〇〇カード」と「これなにメモ」が読み上げてくれるため、必要なカードを選ぶことができます。
インテック独自開発の効果音ガイドにより、視覚障害者も、スマートフォンのカメラで登録したいモノを撮影し登録することができます。
モノが置いてある机などをスマートフォンのカメラで映すと低いゆっくりとした効果音が流れ、カードやCDなど「モノ」が映ると高く速い効果音を出し、撮影を補助します。
区別したいモノをカメラで写す際、撮影画像の一部でもカメラに写れば認識できるため、ピンポイントで狙う必要がありません。
1つのモノに対して最大5枚まで写真を登録することができますので、表・裏の両面写して登録しておくと、確認したいときどちらの向きでも認識できます。
登録できるモノの数は最大100件です。
画面を見ることができない視覚障害者でも簡便にアプリを利用できるよう、iPhone付属のアクセシビリティ機能「ボイスオーバー」に対応しています。
「これなにメモ」は、アップルのアプリ配信サービス「アップストア」から無償でダウンロードできます。
◆ラジオ関西の新番組に濱田祐太郎さん出演
ラジオ関西の新番組「PUSH!」(月曜〜木曜放送)の中で、ユニバーサル社会の実現を目指している兵庫県の地域の魅力や取り組みを発信するコーナーがあります。
第3月曜日の15時20分から、濱田祐太郎さんが登場する「兵庫県ユニバーサル大使・濱田祐太郎マンスリーPUSH!」が放送されます。
濱田さんは1989年、神戸市生まれの漫談家。
先天性緑内障のため生まれつき左目が全く見えず、右目も明るさが分かる程度。
兵庫県立視覚特別支援学校卒業後、2013年に漫談家としてデビュー。
スーツ姿で白杖を持って舞台に立ち、自らのハンディを明るくネタにして披露する芸風で、「ひとり芸日本一」を決める「R−1ぐらんぷり2018」で優勝を果たしました。
2019年に「ひょうごユニバーサル大使」に就任し、大使として、様々な場面で兵庫県の「ユニバーサル社会づくり」を推進中です。
濱田さんと林真一郎アナウンサーが、障害者スポーツ、障害者アート、就労支援など様々なテーマで、地域でユニバーサルな活動をされているゲストを招いて、ユニバーサル社会づくりについて、楽しく一緒に考えます。
障害者就労支援事業所などで作られたお菓子なども紹介される予定です。
今後の放送は、5月18日、6月15日、7月20日、8月24日、9月28日、10月19日、11月16日、12月21日、2021年1月18日、2月15日、3月15日、いずれも月曜日15時20分〜15時45分の予定です。
また、ラジオ関西では、吉本の若手芸人5組が週替わりで出演する「よしもと☆のびしろアワー」が土曜の18時から始まり、第5週目は「濱田祐太郎のぽこいちラジオ」と題して放送されます。
◆「青い鳥葉書」無償配布受け付け中
日本郵便株式会社は、重度障害者向けに青い鳥をデザインしたオリジナル封筒に通常郵便葉書を入れた「青い鳥郵便葉書」の無償配布を開始しています。
対象:重度の身体障害者(1級または2級)と知的障害者(療育手帳にAまたは1度、2度と表記されている方)
受け付け期間:6月1日まで
配布される葉書の種類:通常郵便葉書の「くぼみ入り」「無地」「インクジェット紙」か、通常郵便葉書胡蝶蘭の「無地」「インクジェット紙」のいずれか1種類を選択(「くぼみ入り」は、視覚障害者にも上下・裏表が分かるように、表面左下に半円形のくぼみを入れたもの)
配布枚数:1人につき1種類を20枚
申し込み方法:
(1)最寄りの郵便局の窓口に身体障害者手帳または療育手帳を提示し、所定の申込書を受け取り、必要事項を記入して提出する(代理人でもよい)
(2)適宜の用紙に「青い鳥郵便葉書配布申込書」と明記し、手帳の種類、級別または程度、手帳番号、希望する葉書種類、住所、氏名を記入し、最寄りの郵便局に郵送する。
葉書の受け取り:最寄りの郵便局から送付。または、申込者宅の配達を担当する郵便局の窓口で直接申し込んだ場合は、その場で受け取ることもできます。
※新型コロナウイルス感染症拡大を防止する対策として、郵便局の休業、窓口の時間変更が行われている場合がありますので、申請の際にはご注意ください。
今月の耳より情報は以上です。
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