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耳より情報(2020年6月号)



◆「第18回オンキヨー世界点字作文コンクール」締め切り延長

オンキヨー株式会社と公益財団法人日本教育科学研究所の主催による世界点字作文コンクールの作品募集の締め切りが、新型コロナウイルス感染症の影響をふまえ、募集期間を7月31日まで延長されることになりました。
入選発表は、2020年12月から2021年1月ごろ、表彰式は2021年1月に予定されています。
視覚障害者の作文や作詞のテーマは自由です。
サポートの部では、視覚障害者との出会いやボランティア経験、点字を学んだ経験などを通じて考えたことを広く募集しています。
国内審査員長には作家の玉岡かおるさん、作詞賞の選考には歌人の松村由利子さんを迎え、優秀な作品には賞金とオンキヨー製品を贈呈、受賞作品はオンキヨーのホームページに掲載されます。
また、国内「最優秀オーツキ賞」、「作詞賞」の受賞者を招待して、表彰式も開催。
さらに作・編曲家でミュージシャンでもある徳永暁人さんに「作詞賞」受賞作品に曲をつけてもらい、楽曲として受賞者に贈呈されます。
また、オンキヨーが運営するハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」で配信される予定です。
締め切り:7月31日(当日消印有効)
応募資格:視覚障害者。ただし「サポートの部」はどなたでも応募できます。
作品の分量:点字は32マス120行以内。墨字は2000字(400字詰め原稿用紙5枚)以内。作詞賞は1曲の歌におさまる程度、形式は自由。
応募方法:郵送。作品をデータ化したものがある場合はメールで送信するか、USBなどに入れて郵送。点字はBESかBASE形式、墨字はテキストかワード形式。
募集要項が必要な方は、オンキヨー株式会社総務部「点字作文コンクール係」にメールや電話で請求してください。
問い合わせ先:オンキヨー株式会社総務部(電話06−6747−9170、Eメール csr@jp.onkyo.com)
詳細:https://www.jp.onkyo.com/news/information/topics/20200302tenji.htm


◆「休業手当」について

新型コロナウィルスの感染拡大やそれに伴う緊急事態宣言の影響で、皆さんの仕事や収入にも大きな影響が出ているのではないでしょうか。
日本弱視者ネットワーク(旧・弱視者問題研究会)では少しでも役立つ情報をお伝えしようと、ホームページ上で休業手当について掲載しています。
第1回目は「休業手当」についてです。
どのような人が対象となるのか、どのような場合に労働者にとっての「休業」となるのか、「休業手当」の額、雇用調整助成金とは、「休業手当は出せない」と言われたら、休業手当の具体的な計算事例などが掲載されています。
日本弱視者ネットワーク https://jakumonken.com/news/2020_kyuugyou.htm#contents

厚生労働省HPから企業向けと労働者向けのQ&Aと雇用調整助成金の案内
●新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
●新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html
●雇用調整助成金の特例措置 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html


◆バリアフリーかるた「四人一首」

栃木県の全盲の小学校教諭・南沢創(はじめ)さんが、勤務する小学校で和歌を知らない低学年の児童にも百人一首の楽しさを伝えられるようにと4枚の札を並べる「四人一首」を考案し、普及に努めています。
四人一首は「場」と呼ばれる競技台の四隅に1枚ずつ札を並べます。
札を取り合う前に、読み手が4枚の位置と上の句の一部を読み上げ、札を取ったら1枚を追加していきます。
札が少ないため初心者でも参加しやすく、障害がない人も一緒に楽しむことができます。
体験用の音源をホームページで公開し、練習用の音声CDの無料配布もしています。
問い合わせ先:南沢さんメール(info@doranekokaruta.raindrop.jp)
バリアフリーかるたホームページ https://doranekokaruta.com/


◆ロック詩人・羽田光夏(はねだ ひか)さんの初詩集「世界と繋がり合えるなら」

未熟児網膜症のため生まれながらに全盲の羽田光夏さん(32歳、静岡県在住)が、初めての詩集「世界と繋がり合えるなら」を出版しました。
羽田さんは、これまでインターネットの投稿サイト「カクヨム」などで小説やエッセー、詩を発表していて、この度未発表の詩も加えて30編を書籍化しました。
一時は不登校も経験した羽田さんは、「私自身、歌詞に救われたことが何度もあった。今度は自分が誰かを助けられる詩を届けたい。不安や痛みを抱えながら生きている方たちに、届いてほしい」と詩集への思いを込めています。
静岡県立浜松視覚特別支援学校在学中から心に浮かぶ風景や思いを詩にしたため、進学した京都府立盲学校では音楽を専攻し、寄宿舎仲間とのバンド活動を通して、「いつか歌を作りたい」と詩を書き続けました。
在学中、不安や葛藤から学校に通えない時期があり、自分らしく生きていく決意を込めたのが代表作「世界と繋がり合えるなら」です。

「世界と繋がり合えるなら」

 私は全てを愛せるだろうか
 一つも捨てずに
 一つも汚さずに
 本当にちゃんとできるだろうか?
 できるようでいて
 とても難しいこと
 世界と繋がりたいのなら
 ほんの少しだけ
 余計な嘘をつかなきゃならない
 世界と繋がりたいのなら
 一欠片(かけら)だけ
 大切な物をあげなきゃいけない
 それでも
 私は全てを愛するだろうか?
 一つも忘れずに
 一つも傷つけずに
 最後までそれができるだろうか?
 ものすごく不安だけど
 誰にでもできること
 世界と繋がれないのなら
 暗闇に染まる空しか見えない
 世界と繋がれないのなら
 抱きしめてくれる温もりも見つけられない
 それでも
 世界と繋がり合えるなら

「世界と繋がり合えるなら」は、読書日和発行、A5判87ページ、税抜き価格1200円。テキストデータ引換券が付いています。
書店やインターネットのショッピングサイトで購入できます。
問い合わせ先:読書日和(電話053−543−9815)


今月の耳より情報は以上です。

 

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