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耳より情報(2021年10・11月合併号)



◆さわって楽しむ「触の大博覧会」

美術館・博物館では目で見て楽しむものが多く、作品に触れないことがほぼ当たり前。
でも、ここでは「さわって」楽しむ。さわらないとわからない。
そんな特別展「ユニバーサル・ミュージアム さわる!“触”の大博覧会」が大阪府吹田市・万博記念公園にある国立民族学博物館で開催中です。
「歴史にさわる」「風景にさわる」「音にさわる」などのテーマのもと、さまざまな素材と手法を用いて、“触”の可能性を追求しています。
絵画や彫刻など280ほどの作品はすべてさわることが可能です。
会場内は、視覚に頼りすぎず触覚に集中でき、視覚を使わない開放感を体験できるよう、安全性を確保した上であえて通常より暗くしています。
作品にさわるため、各所に手指用のアルコール消毒液が設置されていますので、安心して鑑賞できます。
展示場に足を運び、手を動かすことで、来館者一人一人の身体から「ユニバーサル・ミュージアム(誰もが楽しめる博物館)」が始まります。
日時:11月30日(火)まで 10時〜17時(入館は16時30分まで)
会場:国立民族学博物館・特別展示館(最寄り駅は、大阪モノレール「万博記念公園駅」または「公園東口駅」)
休館日:水曜(ただし11月3日は開館、翌4日が休館)
料金:障害者手帳をお持ちの方は、付き添い者1名と共に無料、一般880円(65歳以上は600円)、大学生450円、高校生以下無料 尚、本館展示もご覧になれます。


◆点字つき絵本『音にさわる はるなつあきふゆをたのしむ「手」』

国立民俗学博物館勤務の広瀬浩二郎さんが、琵琶法師「耳なし芳一」の話からインスピレーションを得て、オリジナルの絵本を刊行しました。
「さわるくん」という主人公が、視覚以外の感覚を総動員して春夏秋冬を満喫する「音探し」がテーマとなっていて、目が見える・見えないに関係なく、子どもから大人までが楽しめる内容です。
新型コロナウイルス感染症の拡大とともに、そもそも触るとはどんな意味をもっているのかという基本的な問いに立ち返ることになったという広瀬さんは、「非接触社会から触発は生まれない」と発信を続けています。
コロナ禍においては「触る」ことがタブーのようなイメージとなってしまったが、目が見えない人だけでなく、誰にとっても本来生きていく上では必要なこと、意味のあること。
そんな思いも込めて、いろいろな感触の隆起印刷を用いて、子どもたちが触ることから想像を膨らませることを忘れないようにと作られました。
絵本に掲載されているQRコードから、著者による「あとがき」の音読を聴くこともできます。
『音にさわる はるなつあきふゆをたのしむ「手」』作:広瀬浩二郎(ひろせ こうじろう)、絵:日比野尚子(ひびの なおこ)、偕成社発行、税込み価格1540円。
全国の書店やネット書店で取り扱っています。


◆単行本『全盲ハッピーマン 24歳で失明したら、人生がもっと面白くなったんだけど、なんか質問ある?』

表紙には、「突然目が見えなくなった僕は、新しいゲームが始まったとワクワクした」「人生を謳歌する“全盲の自由人”おーちゃんの夢満載のぶっちゃけ自伝エッセイ」と書かれています。
著者の大平啓朗(おおひら ひろあき)さんは、全盲の旅カメラマンです。
24歳で事故により失明後、約1年かけて、一般のお宅に宿泊しながら47都道府県をひとり旅で制覇。
そのコミュニケーション力は教育関係者やメディアから注目されています。
現在は撮影、作曲、執筆活動をしつつ、YouTubeで活動の配信、学校授業や講演会の他、暗闇ワークショップなどを全国各地でプロデュース。
また、夢の実現をサポートするメンタルコーチとしても活躍しています。
内容を一部ご紹介します。
「24歳、僕の目は突然、完全に見えなくなった。もちろんショックだった・・・。でもそれは絶望ではなかった。目が見えなくなった人生。それはまるで『新しいゲーム』のようだった。目の見えない生活は、ムチャクチャ刺激的で、なにをするにもワクワクドキドキして、楽しくて楽しくてたまらなかった。失明は僕をたくましくしてくれて、夢を持つこと、そしてその夢に向かうための良いきっかけになったんだ。失明=素敵な出逢いで、僕の人生はカラフルに色づいた。不便なことは、もちろんある。でも不幸じゃない。」
「まったく見えないってことは、好きに見ていい。それも無限大に自由に!」と言う大平さんに触発されてみませんか?
『全盲ハッピーマン 24歳で失明したら、人生がもっと面白くなったんだけど、なんか質問ある?』大平啓朗(おおひら ひろあき)著、?A-Works(エーワークス)発行、200ページ、単行本・電子書籍版共に税込み価格1540円。
サピエ図書館に点字データが登録されています。
女優・水野美紀さんが第一章を朗読している動画がYouTubeで公開されています。
公開動画 https://www.youtube.com/watch?v=QivfOc9eaq
または http://www.a-works.gr.jp/zenmouhappy/index.html


◆衣類を寄付してパラスポーツを応援「ふくのわプロジェクト」

「ふくのわプロジェクト」は産経新聞社が主催・運営する事業で、寄付していただいた衣類を売却し、その収益金でパラスポーツ(障害者スポーツ)を応援する活動です。
財政基盤が脆弱とされるパラスポーツ競技団体を、持続的に応援することを目的に2016年に始まりました。
企業や個人から提供された衣類は、国内や海外の中古マーケットで販売するリユース専門業者に買い取ってもらうほか、不定期で開催する“ふくのわマルシェ”で販売して、その収益金をパラスポーツ競技団体に寄付しています。
9月に発表された2020年度の実績(総合計)は、13万7662キログラム、207万785円でした。
このプロジェクトに参加するには、ふくのわBOX設置場所に直接持ち込む、宅配キットを購入して送る(沖縄県は対象除外)、提携先倉庫に郵送または宅配で送る、ブランド宅配買取サービス「ブランディア」に送るなどの方法があります。
設置場所が近くにない場合は宅配キットを購入して参加するのが便利です。
キットには専用衣類寄付袋・専用着払い伝票・説明資料が入っていて、税・梱包後の衣類の送料込みで2000円。
個人で160サイズの宅急便を利用するより安価です。
宅配キットは、産経iDサイト内の「おうちでふくのわ」特設サイトから申し込みますが、会員でない方は会員登録が必要です。専用袋には重さにして25キログラムまで詰めることができ、Tシャツなど薄手のものであれば約100枚詰められます。
専用衣類寄付袋に衣類を詰めたら、専用着払い伝票を袋の上部に貼り、お近くのヤマト運輸に集荷を依頼します。
衣類は1キロあたり10円で古着専門店が買い取り、その買い取り金額がふくのわプロジェクトに入金される仕組みです。
寄付できるもの:洗濯またはクリーニング済みのものでまだ着られる衣類、毛布、シーツ、タオル、カーテンなど。
寄付できないもの:破れ、染み、カビ、ボタン破損などダメージのある衣類、制服、ユニフォーム、会社の作業着、靴、布団、カーペットなど。
詳細は「ふくのわプロジェクト」のホームページ www.fukunowa.com でご確認ください。
問い合わせ先:産経新聞社・ふくのわプロジェクト事務局(電話070−4176−3700、平日の10時〜16時半。Eメール fukunowa-pj@sankei.co.jp )


◆郵便物の配送について

日本郵便は、10月2日より普通郵便及びゆうメールの土曜日配達が休止となりました。
ネット通販などの広がりで配達物の数が増える一方、人手不足が続いているため、配達員の働く環境を改善し、安定的にサービスを続けるねらいとのことです。
点字用郵便を含む普通扱いの郵便及びゆうメールの配達にかかる日数が、日曜日・休日に加えて土曜日の配達も休止となったことに伴い、今までより1日程度到着が遅くなります。外国から到着する国際郵便の通常郵便物も同じです。
郵便物を差し出した記録を残したいときに利用する特定記録郵便は、お届け日数は変更されませんが、今まで土曜日に届けられていたものは月曜日の配達になります。
尚、ゆうパック・ゆうパケット・レターパック・速達・書留・簡易書留などは、引き続き土曜日・日曜日・休日も配達され、お届け日数に変更はありません。


◆神戸アイライト協会が移転

神戸市中央区で活動していました神戸アイライト協会は、中山視覚障害者福祉財団が兵庫区に建設した新しい会館内に移転しました。
5階建ての2階フロアで活動します。
相談や講習で来所される場合は、必ず事前に電話で予約し、1階正面玄関でインターホンの「201」を押してください。
新住所:〒652−0802 兵庫県神戸市兵庫区水木通2丁目1番9号 中山記念会館内
新電話番号:代表は078−531−6340、相談専用は078−531−6371、FAXは078−531−6370(電話受付は火曜〜土曜の10時〜16時、日・月・祝日はお休みです)
最寄駅:神戸高速鉄道「新開地駅」西改札(1号出入口、階段)より徒歩約5分、または神戸市営地下鉄「湊川公園駅」西改札(西出口2、階段・エレベータ)より徒歩約10分
神戸アイライト協会ホームページ https://eyelight.eek.jp/


今月の耳より情報は以上です。

 

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