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耳より情報(2022年2・3月合併号)



◆京都市中央図書館「オンラインによる対面朗読サービス」を開始

京都市図書館が、視覚等の障害のために読書が困難な方を対象とした来館による対面朗読サービスに加えて、オンラインによる朗読サービスを1月から京都市中央図書館で始めました。
感染症の拡大防止や来館が困難な方も利用できるよう、遠隔コミュニケーションアプリ「Zооm」を使用したオンラインによる対面朗読サービスで、図書館を訪れることなく、自宅に居ながら朗読を聴くことができます。
対象者:視覚等の障害により身体障害者手帳の交付を受けている方で、京都市在住または通勤・通学者で、「Zооm」が使用できる端末(スマートフォンやパソコンなど)を持ち、操作が可能な方。
利用方法:事前に対面朗読サービスの利用登録をし、日程や朗読資料確保等の調整を行ったうえで、朗読ボランティアが中央図書館にてZoomを使用し、希望の図書館資料を朗読します。
利用時間:平日の10時〜17時の間で、2時間以内
費用:無料ですが、利用時にかかる通信料は利用者の負担となります。
問い合わせ先:京都市中央図書館(電話075−802−3133)


◆視覚障害者への声かけ啓発動画

毎日新聞社は鉄道駅を利用する視覚障害者にどう声をかけ、どう誘導すればいいかを解説する健常者向けのイラスト動画を作成しました。
約1分半の動画には、場面説明や補足説明があり、分かりやすくまとめられています。
プラットホームで白杖をついて歩いている老人に女性が気づいて「何かお手伝いしましょうか?」と声をかける場面では、「半歩前を歩き、肘につかまってもらう」ことや、やめて欲しいこととして「後ろから押されたり、手をつかまれ引っ張られると怖い」ことなども説明されています。
また、ホームの端を線路に向かって歩いている場面では、「止まって!白い杖の人!」と大きな声で声をかけ、手が届く距離であれば肩などをつかんで止めてくださいと説明しています。
この動画はYouTubeで見ることができますので、声かけや誘導の仕方が分からないという方に薦めてみてはいかがでしょうか。
また、場面説明や画面に表示されている言葉も読み上げられていますので、晴眼者に上手く説明できない視覚障害者の方も参考になります。
youtube.comから「毎日新聞、視覚障害者への声かけ」で検索してください。
https://www.youtube.com/watch?v=jLLZhNsDoLA


◆災害情報伝達・共有に関する点字・墨字合本配布中

社会福祉法人桜雲会が、一般財団法人日本宝くじ協会の助成を受けて「視覚障害者にわかりやすい災害情報伝達と情報共有」(全1巻、点字と触図・墨字合本)を作成し、無料配布を行っています。
内容は、視覚に障害のある方、視覚と聴覚に障害のある盲ろうの方の被災体験や日ごろ行っている災害対策等についての対談・インタビューと、神戸アイライト協会会長・新阜義弘氏執筆「自然災害に対して視覚障害者が備えておくべきこと」。
申し込み・問い合わせ先:桜雲会(電話03−5337−7866、Eメール ounkai@nifty.com )


◆視覚障害女性のタンデム自転車体験が絵本に

障害者でも楽しめる複数人乗り自転車の体験などを通じて心のバリアフリー社会を目指す松山市のNPO法人「タンデム自転車NONちゃん倶楽部(のんちゃんくらぶ)」が、絵本と朗読CDを制作しました。
タイトルは「ポンタ タンデム自転車にのる。」
原作者は自転車に乗る夢を60代で実現した生まれながらに視覚障害のある渡辺純江さん(70)。
2012年にタンデム自転車の乗車体験をした渡辺さんが、その乗る喜びを物語にしてNONちゃん倶楽部にメールを送ったことが絵本制作のきっかけとなりました。
目の見えないおばあさんが柴犬のポンタとタンデム自転車のイベントで走行を楽しむストーリーで、風を感じる喜びや、移り変わる風景をパイロットの説明で楽しむ様子が描かれています。
右側3時、左側9時など、目の不自由な人に時計の針の向きで方向を伝える方法も紹介しています。
絵は活動を支援している伊予銀行を通じ、行員の水関有里恵さんが担当しました。
制作には多くの障害者や健常者が関わり、誰もが夢を持って生きる共生社会への願いが込められています。
500部発行し、県内外の小学校や図書館、障害者施設などに配布。
問い合わせ先:タンデム自転車NONちゃん倶楽部の津賀理事長(電話090−3189−5918)


◆ペン型シール読み取り音声レコーダー「ペニートーク」

薬の袋や衣服など身の回りの物に専用のシールを貼り、それにペニートークを近づけて覚えさせたい内容を吹き込み、音声メモを作ります。
再びペニートークをそのシールに近づけると、録音した内容が再生されます。
録音したデータは、本体内のメモリーカードに保存され、パソコンに移しての管理が可能です。シールは何度でも録音できます。
電源のオン・オフ時や「録音を消しました」といった音声ガイドがあり、操作はシンプルです。
本体の色は黒、操作ボタンは色付きで弱視の方にもわかりやすくなっています。
サイズは、直径35ミリ、長さ155ミリ。重さ72グラム(乾電池含む)。
税込み価格は3万9600円。
付属品として、8GBのメモリーカード、イヤホン、首掛けストラップ、データ転送用USBケーブル、単4型乾電池2本、点字付き標準シール160枚、耐水シール72枚、音声ガイド言語変換シートが付いています。
また、通常のペニートークの内容に加えて、 標準シール1パック、防水シール1パック、購入後6年保障(ユーザー登録必須)が付いている「ペニートークプラス」(税込み価格5万9400円)もあります。
問い合わせ先:アメディア(電話03−6915−8597)


◆新製品・グルス音声タイマー

グルス音声タイマー「GRS202−VJ」は、音声を聞きながらタイマー設定ができ、弱視の方にも見やすい大きなデジタル表示のタイマーで、カウントダウン、カウントアップ、リピート機能付きです。
音声を聞きながら最大99分50秒まで10秒単位でタイマーセットができます。
計測の途中経過は、1分〜4分間までは1分毎、その後は5分毎、10分毎に知らせます。
音は音声か電子音が選択でき、計測中でも音声ボタンを押すと経過タイムを1秒単位までアナウンスします。
音量は3段階調整とオフ、バイブレーション機能から選ぶことができます。
本体の色は白地で、ボタンが黒です。
サイズは縦7センチ、横10センチ、厚み2センチで、重さは85グラム(電池含まず)、使用電池は単4乾電池1本、裏面に磁石付き、防滴仕様。
価格は税込み3300円。
問い合わせ先:日本ライトハウス情報文化センター・エンジョイ!グッズサロン(電話06−6441−0039)
使い方の説明(YouTube) https://www.youtube.com/watch?v=yzcKZcf_1_E


◆視覚障害者のITサポート「ブラインドITヘルパー」

合同会社フロッグワークス(本社:神戸市)が、視覚に障害のある方に向けたサービス「視覚障害者向けパソコン・スマホITサポートと視覚障害者専用パソコン・支援機器の販売」を行う事業「ブラインドITヘルパー」を開始しました。
代表の岸本将志氏は、福祉情報技術コーディネーターとして兵庫県で長年、視覚障害・重複重度障害者のIT講師を務め、自身も視覚と両上肢合わせて1種1級の手帳を持つ重複重度障害者です。
同じ当事者だからこそ同じ目線での提案・サポートを目指しています。
デジタル社会に誰一人取り残されることがないよう、視覚に障害があっても「使える」「使いやすい」ようにパソコンやスマホを設定・調整・サポートをし、視覚障害者専用に設定を施した機器の販売も行います。
電話やメールなどでの依頼のほか、持ち込みや宅配による依頼、関西圏での出張サービスもあります。
問い合わせ先:ブラインドITヘルパー(電話078−841−7316、平日の10時〜17時、Eメール shopmaster@frog-pc.com )


◆サピエ図書館のサービス停止

サピエは今後の利用増加対策として、点字やデイジーデータを保管するコンテンツサーバの入れ替えと、図書データの圧縮形式の変更作業を行なうため、3月7日(月)3時〜3月28日(月)10時まで停止します。
停止期間は、作業の進捗により日時が前後する場合があります。
この停止期間中に発行予定の点字雑誌やデイジー雑誌については、ご利用登録館に直接お問い合わせください。
また、旧ドコモ携帯電話向けiモードで提供している「サピエモバイルポータルサイト」と、らくらくホン専用のiモードアプリ「サピエモバイルデイジー」サービスは、3月6日で終了となります。


今月の耳より情報は以上です。

 

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