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MEMORANDUM-陶房雑記帳2013年1月

■高倉陶房の初雪

1月14日、今日は成人の日で休日。
 友人たちと国立西洋美術館に松方コレクション(実業家松方幸次郎が大正初期から昭和初期にかけて築いた美術品コレクション)を観に行く予定だったのですが、朝からぽつぽつ降り始めた雪が積り始め、テレビニュースでは午後から風が出て大荒れになる、という天気予報。美術館行きは残念ながら中止にしました。成人式やお祝い会に出る予定の着飾った若い人たちも大変だろうなと思います。
 昼ころには庭はすっかり雪景色になってしまいました。風も出てきて天気予報どおり。今年の初雪は結構な大雪となりました。久しぶりの雪景色は風情があってよいものです。梅の枝に雪が積もっているのを眺めると尾形乾山の絵皿か茶碗を思い出します。和室の雪見障子越しに外を眺めながらちょっと雪見酒なんて洒落こみたいと思うのですが、とんでもない。
 降り積もった後の庭の雪かきや、雪の重みで垂れ下がった木々の手入れなどを想像すると、風情ばかりに浸ってはおれません。今日の積り具合では明日から晴れても庭の雪が全部解けるのに一週間くらいはかかりそうです。庭が竹藪の日陰になるので溶けるのが遅いのです。その間、庭は雪解け水で泥だらけとなり安心して歩けなくなってしまいます。
 東京行きを中止にしたお蔭で木曜日に予定している本焼き(今年の初窯です)の準備ははかどりました。昨日下絵付けを終わった作品の釉掛けと窯詰めをすべて終わらせてあとは木曜日の早朝3時に火を付けます。凍った雪で滑らないように気を付けながら早朝の作業を始めます。
 つい一週間ほど前に行った石垣島の暖かい正月、道端に朝顔の花が咲き蝶が舞う石垣島が懐かしくなりますが、雪の風情と寒さを楽しみながら春を待ちたいと思います。(2013.1.15)


■めでたい陶作り

2013年新春、今年はおめでたい陶器作りで始まります。
 製作予定順に紹介しますと。
 2月には近所に住んでいる永年の友人、昌夫ちゃんのお母さんが100歳を迎えます。ちょっと小ぶりでお年寄りでも飲みやすく持ちやすい(手が滑らない)茶碗を作ってお祝いの言葉を焼き付けて謹呈する予定です。昌夫ちゃんのお母さんは米寿のときに、私が作り素焼きした板皿に「祥」という文字をご自分で書かれ、焼いた記憶があります。
 3月には関係している会社の若い人が結婚することになり、ペアーのマグカップを依頼されています。若い人に好まれるような形と色調にと思っています。
                         ↓古希祝い湯飲み準備中
 4月には、古希祝の湯呑み。
 高倉陶房の近くには学校も仕事も一緒でなかったにも拘らず、縁あって仲良くお付き合いさせていただいている友人たちがいます。米屋の勝ちゃん、野球の公認審判員をしているチャ-ちゃん、医者のヤッちゃん、釣り好きな彦さん、演歌の得意なサッちゃん、サックスの上手なケイちゃん等々、素晴らし仲間たちです。
 この仲間たちが60歳のときに“還暦祝い”の湯呑みを製作し進呈しました。そして10年経って今年は“古希祝い”の湯呑み茶碗を製作中です。この10年の間に残念ながらこーちゃんだけが先に逝ってしまいました。素晴らしい仲間たちの更なる健康を祈念して製作します。4月の花見会に合わせて渡せるよう轆轤を回し始めました。
 そして5月は端午の節句。昨年8月に生まれた男の孫の初節句を祝って「兜」をそろそろ作り始めます。兜は初孫のときも作ったのですが、永年こわれないで飾ってもらうためには立物(たてもの・兜の角の部分)を丈夫に作ることがポイントであると思います。
 更に、私たち夫婦の仲人さんが今年米寿を迎えられますので、記念に夫婦茶碗を贈呈したいと思っています。ご夫婦そろっていつまでも元気でおられますように。
 ということで、今年は目出度い焼物作りが続きます。6月に予定されている恒例のアート展の準備もそろそろです。忙しい年になりそうです。まずは健康。(2013.1.8)


神奈川県藤沢市高倉815-2
(小田急線長後駅東口徒歩7分)