「熊本地震の被災地にお茶わんを送ろう」と神戸のNPO法人(ひまわりの夢企画)が全国に呼びかけ、熊本市のNPO法人(でんでん虫の会)がこれに協力し受け入れてくれる、ということを新聞で知りました。(6月4日・朝日新聞夕刊)
熊本地震の被災者の方々の仮設住宅への入居が始まった、というニュースが流れていますが、入居するときに現地で「無料陶器市」を開き、好きな食器を持っていってもらう、というものです。
このプロジェクトのそもそもの発想は、阪神大震災(1995年)のときに仮設住宅の入居者が「紙皿でなくお茶わんでご飯を食べたい」と話していたことに始まるとのこと。
私は東日本大震災(2011年)のときも被災した人たちを陶芸で支援できないか、とあれこれ思っていたのですが、結局何もできなかったのです。しかし、すでにこのプロジェクトは東日本大震災でも活躍し、好評を得ていたようです。
善は急げ!私はこのニュースを聞いてすぐに飛びつくことにしました。東日本でできなかった分、熊本で頑張ろう!
さっそく新聞記事を読んだ翌日、陶房に残っていた茶碗・お皿・ぐい呑みなど約50個をかき集め、段ボールに梱包し熊本あてに発送しました。
多くの被災者の方々のご苦労を思うと、今回送る数は十分なものではありません。仮設住宅に入居の(見ず知らずの)方々が、私の作品を手にして手作りのぬくもりを感じていただき、少しでも役立ってくれれば嬉しい限りです。(2016.6.13)
今年も恒例の三田会アート展が、6月20日~26日まで藤沢市民ギャラリーで開催されます。
私はこのグループ展に12年間連続で出展していますので、今や私にとっても重要な年間の恒例行事になっています。年一回のアート展を軸として1-2年ごとに自分の個展を開催したり、高倉陶房のグループ展(発表会)をしたり、というような発表パターンになっています。
三田会アート展の出展分野は、陶芸だけでなく、絵画、写真、書、工芸、等、多分野にわたります。従っていろいろな分野の作品とその製作者と交流できますので、多くの刺激やヒントを得られて本当に楽しいグループ展です。
毎年、年が明けると、今年のアート展では何をテーマにしようか?何を作ろうか?というようなことを考え始めます。作陶作業は、成形した粘土の乾燥に時間がかかったり、一度焼きあがった作品をもう一度焼いてみたり、と毎度のことながら一つの作品が出来上がるのに、2-3ヶ月はかかるものです。従って一月には作陶テーマを決めておかないと夏の発表には間に合わないということになります。
そして、焼きあがった作品を眺めて、前年よりも“進歩しているか?”と、自問自答することになります。
2014年アート展風景→
難しいのは、進歩しているか?を判断する尺度が定量的に測れるようなものではないことです。作品が魅力的になっているか?良い雰囲気か?力強いか?見る人に“何か”を感じていただける作品になっているか?というような感覚的なものなのです。
学問でもスポーツ・芸事でもすべて同じと思いますが、一所懸命修練しなければ上手くならない。しかし、年数を重ねれば必ず上達するか、というとそうともいえない。修練を重ねても上手にならないかもしれないが、修練を重ねなければ上手になることはない!
自信もって“進歩している”と言えるまで修練。修練。(2016.6.13)
神奈川県藤沢市高倉815-2
(小田急線長後駅東口徒歩7分)