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MEMORANDUM-陶房雑記帳2017年8月

■江の島へスケッチ旅行

お盆前の一日、江の島へスケッチ旅行に出かけました。湘南海岸の片瀬江の島はわが家から小田急線の駅まで6-7分歩いて急行にとび乗れば、30分ほどで到着する便利な場所なのです。しかし、スケッチブックをもって陶芸作品に描く文様のネタ探しとなると、久しぶりの活動で、旅行気分になります。
 草木花やシルクロードの風景、仏塔などをテーマに陶に描いてきたのですが、このところちょっと“ネタ切れ”を感じていたので、原点に戻ってスケッチを積極的に行おうと思い立ったのです。私が住んでいる湘南地方を代表するような場所である江の島の風物、江の島で育っている草花を描いてみよう、というわけです。
 台風5号の到来を前にしてむしむしと暑い!島へと渡る桟橋の両側、東浜・西浜は夏休みの海水浴客でにぎわっている。それに観光客も多い。日本人よりも外人のほうが多いようだ。2020年の東京オリンピック・ヨットレース会場にもなる予定でこれからはますます外国人客が増えると思います。
 運動のつもりで島の階段を歩いて上る予定だったのですが、炎天下の橋を渡りきっただけで汗だくだく。頂上のサムエルコッキング園(旧植物園)まではエスカレーターを乗り継いで登ることにしました。
 園内をうろうろ・きょろきょろ、絵になりそうな対象物や風景を探すのですが、どうも気に入ったネタが見つからない・・・木陰のベンチに座ってさらに目を凝らして探しても描きたいものが見つからない。観光客がざわざわ。どうもスケッチをする雰囲気ではない!
 汗を拭きながら私の出した結論は、今日はこちらサイドの感性が鈍っていて、格好の対象物を探すことはできない、というもの。
 私は常日頃から、絵になる対象物はどこにでもある、と思っています。ただし、大切なことは対象物として感じ取れる感性(センサー)を見る側(描く側)が持っているかどうか、だと思うのです。久しぶりなので私の感性が鈍っていたのか、暑さボケで感性が働いてくれないのか。
 スケッチはあきらめ島内の茶店でかつ丼を食べて帰路に。
 今回のスケッチ旅行は成果なしに終わりましたが、何となく“課題”が見えてくるような結果となりました。江の島を眺める丘に咲く赤や黄のカンナの花、砂浜に咲く浜昼顔、浜木綿、夕焼けをバックにした江ノ島のシルエット、などなど、今後の画材候補です。(2017.8.11)



■朝顔がいっぱい

昨年の7月に両親(私の息子夫婦)とともにインドネシアのジャワ島に移り住んだ孫が、それまで通っていた横浜市戸塚区の小学校で育てていた朝顔の鉢をわが家に置いてゆきました。孫の置き土産です。
 孫の朝顔は秋になって花が終わり種がたくさんとれたので、今春プランターに蒔いたら芽が出てきました。苗が大きくなったころに20株ほど庭のあちこちに植えたら皆無事に育ち花をつけてきました。
 そして今、高倉陶房の庭は朝顔がいっぱいです。さっそく覚えたてのLINEで朝顔の写真をインドネシアに送ったら孫も大喜び。
 椿の木の傍に植えた朝顔はつるが伸びて、椿の枝をよじ登り椿の花かと間違うように咲いています。門扉や垣根に巻き付いて咲いているものもあります。
 朝顔は朝夕水をやるだけで手入れは簡単、ぐんぐん伸びていってくれる生命力を持っている、そして何よりも早起きして見るみずみずしい花は素晴らしいものです。
 残念ながら、朝顔は日没から8時間後に開花するという不思議な習性があるようで、日が昇ると花は萎んでしまいます。
 孫が残してくれた朝顔の花は赤紫と群青色。来年はもっと種をまいて庭の各所に植え付けて多くの花を咲かせてやりたい。高倉陶房をあさがお屋敷にしようと思っています。
 ところで、これまでに私は朝顔や昼顔の花を何度か陶に描いているのですが、どうも満足のいく焼き上がりにならない!むくげの花は難しいと感じないのですが、朝顔は何となく難しい!朝顔の花独特の“ふわふわ感”が出しにくいのです。
 しかし、赤紫と群青色のみずみずしい花をじっと見ていると何とか表現したくなります。よし、もう一度挑戦!(2017.8.11)



神奈川県藤沢市高倉815-2
(小田急線長後駅東口徒歩7分)